「実力で注目されているわけではない。勘違いしている」と森重監督。
選手権優勝から1か月。新チームで始動した東福岡が九州新人大会に臨んだ。グループリーグこそ苦戦したものの、その後は快進撃を続け、決勝では大津を破って優勝を掴んだ。写真:松尾祐希
連覇を達成した高校選手権からはや1か月、王者・東福岡が新チームとなって始動。九州新人大会では、2月15日に行なわれた決勝で大津を破り、優勝を飾っている。順調に滑り出しように見える王者だが、果たしてそのチーム作りはいかにして始まったのか。
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「チームとして三冠を狙う」(DF児玉慎太郎)という目標を掲げ、新生・東福岡が立ち上がった。今年のタレントも多士済々。伝統の4-1-4-1を固めるセンターラインには、MF藤川虎太朗、アンカーの鍬先祐弥、CBの児玉という昨年度のレギュラーがそのまま残った。
また、選手権で大きく評価を上げた左SBの小田逸稀やドリブラーのMF高江麗央も健在。脇を固めるFW佐藤凌我やMF三郎丸瑞希も選手権で短いながらも出場機会を得た面々であり、右MFの福田湧矢も1年時に昨年度のインターハイ優勝を経験済み。脇野敦至が抜けた守護神の座も、前島正弥や中村駿介が高い次元でポジションを争う。また、今回の新人戦には登録されなかったが、15年度の国体優勝メンバーである新2年生GKの緒方翔平も虎視眈々とその座を狙っている。今季の東福岡は昨年度と比べれば、間違いなくタレントが揃っているのだ。
しかし、そうした期待感とは裏腹に、森重潤也監督は選手たちの心の隙を戒める。
「選手たちはフワフワとしていて、(選手権で優勝して)悪いモノが付いているだけ。なにかしなくても、注目されている。でも、実力で注目されているわけではなく、去年の3年生が注目されているだけ。なにか勘違いしている」
「選手権に行っても観光気分だった選手がいる。先発、ベンチ、20名のエントリー外。まだまだ足りないモノがいっぱいあるなと感じた」
選手たちの意識の中には選手権から気持ちを切り替えたという想いがあるが、指揮官は現在のチーム状況にそのように警鐘を鳴らしている。
今回の九州新人大会でも、森重監督は選手たちを一喝している。
ブロックリーグ最終戦となった13日の佐賀北戦前。森重監督は緩い雰囲気でウォーミングアップを行なった選手たちを厳しい言葉で叱責した。この現状を今大会でキャプテンマークを巻いた児玉は「自分たちはそのように感じていなかったのですが、言われた瞬間にハッとした」と語り、「自分たちのなかでは切り替えているかもしれないのですが、周りから見れば緩さがあるのかもしれない」と選手たちの間で気付かなかった部分だったと振り返る。
実際に佐賀北戦では試合終盤に同点に追い付かれ、その後の高江のゴールで勝利を収める薄氷を踏む展開となった。当然、夏冬連覇を達成したチームへの注目度は否が応でも上がるだけに、選手たちも惑わされないことを普段よりも意識をしているはずだ。それでも知らず知らずのうちにそのようなムードが漂い、相手に隙を与える結果になってしまった。
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「チームとして三冠を狙う」(DF児玉慎太郎)という目標を掲げ、新生・東福岡が立ち上がった。今年のタレントも多士済々。伝統の4-1-4-1を固めるセンターラインには、MF藤川虎太朗、アンカーの鍬先祐弥、CBの児玉という昨年度のレギュラーがそのまま残った。
また、選手権で大きく評価を上げた左SBの小田逸稀やドリブラーのMF高江麗央も健在。脇を固めるFW佐藤凌我やMF三郎丸瑞希も選手権で短いながらも出場機会を得た面々であり、右MFの福田湧矢も1年時に昨年度のインターハイ優勝を経験済み。脇野敦至が抜けた守護神の座も、前島正弥や中村駿介が高い次元でポジションを争う。また、今回の新人戦には登録されなかったが、15年度の国体優勝メンバーである新2年生GKの緒方翔平も虎視眈々とその座を狙っている。今季の東福岡は昨年度と比べれば、間違いなくタレントが揃っているのだ。
しかし、そうした期待感とは裏腹に、森重潤也監督は選手たちの心の隙を戒める。
「選手たちはフワフワとしていて、(選手権で優勝して)悪いモノが付いているだけ。なにかしなくても、注目されている。でも、実力で注目されているわけではなく、去年の3年生が注目されているだけ。なにか勘違いしている」
「選手権に行っても観光気分だった選手がいる。先発、ベンチ、20名のエントリー外。まだまだ足りないモノがいっぱいあるなと感じた」
選手たちの意識の中には選手権から気持ちを切り替えたという想いがあるが、指揮官は現在のチーム状況にそのように警鐘を鳴らしている。
今回の九州新人大会でも、森重監督は選手たちを一喝している。
ブロックリーグ最終戦となった13日の佐賀北戦前。森重監督は緩い雰囲気でウォーミングアップを行なった選手たちを厳しい言葉で叱責した。この現状を今大会でキャプテンマークを巻いた児玉は「自分たちはそのように感じていなかったのですが、言われた瞬間にハッとした」と語り、「自分たちのなかでは切り替えているかもしれないのですが、周りから見れば緩さがあるのかもしれない」と選手たちの間で気付かなかった部分だったと振り返る。
実際に佐賀北戦では試合終盤に同点に追い付かれ、その後の高江のゴールで勝利を収める薄氷を踏む展開となった。当然、夏冬連覇を達成したチームへの注目度は否が応でも上がるだけに、選手たちも惑わされないことを普段よりも意識をしているはずだ。それでも知らず知らずのうちにそのようなムードが漂い、相手に隙を与える結果になってしまった。