「攻撃を牽引」「同僚が焦るなか一人だけ...」EL初アシストで“歴史的勝点”に貢献の三笘薫をブライトン番記者が激賞「能力の高さとインテリジェンスは代え難い」【現地発】

2023年10月08日 リッチー・ミルズ

ブライトンの良い面と悪い面が顔を出した

マルセイユ戦でEL初アシストをマークするなど攻撃を牽引した三笘。(C)Getty Images

 10月5日、敵地で行われたヨーロッパリーグ(EL)のマルセイユ戦を引き分けで終えたブライトン。クラブ史上初となる欧州カップ戦のアウェーマッチは、このチームの良い面と悪い面が顔を出した試合となった。

 立ち上がりからマルセイユが積極的にブライトンゴールに迫ると19分、シャンセル・ムベンバがあっさりと先制点を決めた。さらに直後にはジョルダン・ヴェルトゥも加点し、瞬く間にシーガルズ(ブライトンの愛称)は2点を追う展開に陥る。ブライトン陣営には、そのわずか数日前のアストンビラ戦で味わった1-6の大敗の可能性が頭をよぎったはずだ。

 それほど前半のマルセイユは攻撃的で、ボールを持つたびに得点しようとする気迫と危険さを伴っていた。しかし後半は状況が一変する。54分にパスカル・グロスが1点を返すと、試合終了2分前にはジョアン・ペドロがPKをきっちりと沈めて同点に追いつくことに成功。結果的には、クラブ史上初めての欧州カップ戦での勝点をもぎ取った。

【動画】海外記者が絶賛!マルセイユ戦で三笘薫が絶妙のEL初アシスト!
 その中心にいた一人が、三笘薫だった。前後半で流れがまったく異なったこの試合を通じて、三笘のパフォーマンスにはブレが少なかった。前半、チームは明らかに走り負けて、中盤を支配された。しかし定位置の左ハーフでプレーした日本代表は、チームメイトが焦りを見せる中でも 、一人だけ"クールさ"を維持していた。

 11分、ペナルティエリア内アで敵のゴールキーパーのクリアミスを奪い取ると、味方とのパス交換から、三笘は中央に走りこんだアンス・ファティにファイナルボールを送り込む。だが敵ディフェンダーが素早く反応して距離を詰め、バルセロナからレンタル移籍でやってきた20歳の逸材はシュートに持ち込むことができなかった。

 その後、チームはフランスの強豪の鮮やかな攻撃、そして普段は頼れる守護神のジェイソン・スティールとキャプテンのルイス・ダンクのミスもあり、連続失点を喫する。それでも三笘は常に前を向き、ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームの攻撃陣を引っ張り続けた。
 

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