【柏】浦和相手に強度の増したアタッキングスタイルが炸裂! メンデス流に選手も手応え

2016年02月06日 鈴木潤

プレスの迫力、球際の強度、ゴール前に入る人数……、昨年と異なる色合い。

【柏 3-2 浦和】1、2本目のフォーメーション(左が浦和、右が柏)。1本目が1-0で柏、2本目が1-1。得点者/柏=エデルソン、大津 浦和=李

 2週間に及んだ指宿キャンプの集大成として、柏は浦和との練習試合を行なった。奇しくもJ1第1ステージ開幕戦のカードだが、前哨戦という意味合いはほとんどなく、「我々がキャンプでやってきたことを実戦で落とし込むことが目的」とメンデス監督はこの試合をそう位置付けていた。
 
 メンデス監督のサッカーとは、昨季までの柏が標榜していたポゼッションを踏襲しながらも、素早くパスを回して相手のゴール前へ襲いかかるスタイルだ。今回のキャンプで、メンデス監督からの選手への要求は非常に多かった。
 
 攻守両面での戦術的な落とし込みをはじめ、前線からプレスに行く迫力とその強度。球際の激しさ。あるいはゴール前へ入る人数や、優先順位はパスではなくゴールという意識付けまで、まるで昨季の柏に欠けていたあらゆる部分を徹底的に矯正するかのようなトレーニングが続いた。素走りのようなメニューは皆無だったが、戦術練習の中にスプリントダッシュやロングランといった要素を盛り込み、選手たちの肉体に相当な負荷をかけ続けた。
 
「後ろでパスをゆっくり回すだけなら、50歳になる私でもできます。選手たちにはスピードを上げて敵陣に入り、そこで精度の高いプレーをやってもらわなければ」(メンデス監督)
 
 そして今回の浦和との練習試合では、キャンプで意識付けしてきた数々のプレーがピッチ上で表現されていた。
 
 先制点はディエゴ・オリヴェイラの高い位置での守備から、ルーズボールを大津祐樹が拾って左サイドをドリブルで切り込み、クロスをエデルソンがワンタッチで決めた形だ。前線からの守備とプレスの強度、奪ってからの素早い攻撃、そしてクロスを上げる時はトップ下や逆サイドの選手に「ゴール前へ入れ」と要求してきたすべての要求が凝縮された1点だった。

次ページ強度のあるプレッシングの勢いに手応えを感じる。

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