なでしこJはなぜ新布陣4-3-3に? 池田監督が狙いを明かす「“持てる手”を増やしたかった」

2023年09月23日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

「ストロングを失わずに戦えた」

最後まで集中を切らさなかった選手のメンタルを称えた池田監督。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 9月23日、国際親善試合で日本女子代表はアルゼンチン女子代表と対戦。8-0と大差で勝利を収めた。

 試合後に池田太監督は、「試合の流れだったり、相手のコンディションといろいろありますが、押し込んでから複数得点を奪い、コンビネーション、選手一人ひとりのポジショニングの間隔を確かめたりすることができたのは良かった。90分、しっかりと隙なく戦えたメンタル面の持久力も評価したい」と総括した。

 なでしこジャパンは、先の女子ワールドカップで採用した3-4-2-1から4-3-3へ布陣を変更。W杯では3バック中央を務めたキャプテンの熊谷紗希をアンカーに上げ、ダブルボランチだった長谷川唯と長野風花がインサイドハーフに入った。

 指揮官はこの変更について、「相手が対応してきた時に"持てる手"を増やしたかった」と、新布陣にトライする必要性を明かした。

 守備面では「中盤の人数が増え、最終ラインに行く前に中盤ではね返すシーンが増え、3人の関係が良かった」とし、攻撃面では「流動的な動きや展開力を発揮し、ワイドのストロングを失わずに戦えたのも良かった」と手応えも掴んだようだ。
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 W杯では格上相手にボール保持を許容しながら、堅い守備と鮮やかなカウンターで勝利を重ねた。しかし、10月から始まるパリ五輪予選では、FIFAランキング8位の日本に対して、インド(同61位)、ウズベキスタン(同50位)、ベトナム(同34位)ら格下が相手となる。

 日本がボールを保持する時間帯も増え、相手が引いて守備を固める展開も想定されるだけに、それをどう崩していくかが焦点になる。

 アルゼンチン戦で試した新布陣が日本のパリへの歩みを加速させるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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