「小柄ななでしこJがベストチーム」W杯でレジェンドが評価した日本女子代表が再出発。海外記者が指摘した今後の課題は?

2023年09月22日 リカルド・セティオン

「サッカーが楽しいのはサプライズがいっぱいだから」

ベスト8で敗退したものの、女子W杯でインパクトを残したなでしこジャパン。(C)Getty Images

 先の女子ワールドカップで、強烈なインパクトを残したなでしこジャパンは9月23日、アルゼンチン代表と親善試合を戦う。素晴らしいサッカーを展開した池田太監督率いるチームの新たな船出を注視している。
 
 その女子W杯の際、アンバサダーとして招待されていた日本のレジェンド選手、宮間あやと会話を交わす機会があった。決勝がヨーロッパの2チーム(スペイン対イングランド)に決まったことについて、「決勝で戦うには、必ずしも最強である必要はありません」と話し、こう見解を示した。
 
「4-0で日本がスペインに勝った試合を見ましたか? どれほど日本がスペインより上だったか。つまりはそういうことです。サッカーが楽しいのはサプライズがいっぱいだからです。でも時にはそれが難しく感じる時もある。スペインもイングランドもいいチームです。でもアメリカも日本も同じように優秀だったし、オーストラリアが決勝に出ても決しておかしくなかった。決勝の組み合わせがオーストラリア対日本という可能性だって大いにあり得た」
 
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 大会全体の印象は、「32チームが一堂に会して戦う、歴史的な大会です。その一部であることを光栄に思います。スタジアムはいつも満杯ですし、とくにオーストラリア、ジャマイカ、ナイジェリアなどこれまでとは違った新しいチームが台頭してきたことは素晴らしいことだと思います。女子サッカーは新しい時代に入ってきているのだと感じますね。レベルも高く、フェアプレーも多いのも嬉しいです」と語った。
 
 惜しくも準優勝で敗れたなでしこジャパンについては、「選手たちははじめ、自分たちがどんなに優秀かを分かっていませんでした。だからこそプレッシャーもなく、落ち着いてプレーすることができた。日本はグループリーグをどこのチームよりもうまくプレーしたと思います」と評し、こう言葉を続けた。
 
「ところが決勝トーナメントになると、期待や勝たなければというプレッシャーを大きく感じるようになりました。彼女たちはこうしたものに慣れておらず、やや冷静さを欠くシーンもあって、のしかかった重圧の犠牲になってしまいました。とにかく今回のなでしこは素晴らしかった。選手一人一人を誇りに思います。彼女たちは日本の女子サッカーの未来のために、大きなことをしてくれました」
 
「日本のプレーを見てほしい」惨敗の中国女子、28歳エースが訴えた"なでしこJとの差"「なぜ彼女たちは次々と...」

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