今季、試合後のミックスゾーンで「疲労はどうか」というニュアンスの質問をされた長友佑都（FC東京）が２回そう答えたのを記憶している。

　１回目は東京Vとの天皇杯３回戦で120分、PK戦まで戦ったあと。２回目はリーグ戦から中２日で臨んだルヴァンカップ準々決勝第１戦・福岡戦のあとだ。いずれもフル出場しながら、当時36歳のベテランは疲れた様子もなくそうコメントしたのである。

　東京V戦後に「足も攣った経験がない」と言った長友は近年、大きな怪我とは無縁。３バックの一角を担ったルヴァンカップ準々決勝第１戦・福岡戦で相手との接触で自身の顔面を痛めたシーンもあったが、試合後はそのダメージを感じさせない表情で記者団の質問に答えていた。
 

　ひと言でタフ。今年の９月12日で37歳になった長友はまだ「色々と挑戦している最中」とも話していた。

　その福岡戦、「中２日で試合をやった酒井（宏樹）選手は『疲れた～』って言っていましたけど」と記者のひとりから言われた長友は、「甘いですね（笑）」と笑顔でダメ出し。直後に「多分そう言っているだけで本人は疲れてないと思いますけど」とフォローするところも長友らしいが、そうした言葉のトーンからはコンディションの良さが窺えた。

　今季のFC東京は３年連続の無冠が決定的という状況。そうしたチームにプラスの何かを与えられるか。鉄人・長友の底知れぬエネルギーに期待したい。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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