前線で敵を引き付ける効果的な動き
首位スパルタとはドロー決着。小川は「勝ちたかったですね」と苦笑い。写真:元川悦子
ドイツ、トルコと対戦する9月シリーズに挑む日本代表メンバー26人が発表された際、南野拓実(モナコ)、大迫勇也(神戸)とともに、落選が疑問視されたのが、今夏にオランダ1部に赴いた小川航基(NEC)だろう。
ご存じの通り、チームでは1トップの定位置を確保。8月31日のリーグ開幕・エクセルシオール戦と、18日のヘラクレス戦で連続ゴールを挙げ、強烈なインパクトを残している。
大型FWが重用されるオランダにあって、185センチの日本人ストライカーがスタメンに抜擢されること自体、異例と言っていい。
その小川にとって1つの試金石となったのが、9月1日のスパルタ戦。パリ五輪世代のエース級・斉藤光毅が所属する同クラブは、今季開幕から絶好調で、3節終了時点でトップに立っていた。
その相手に小川がゴールやアシストという目に見える結果を残せるか。それ以外の仕事で存在感を示せるか。それが1つの注目点だった。
2人の"コウキ"が揃って先発したこの一戦。前半に主導権を握ったのはアウェーのNECだった。4-2-3-1布陣でスタートし、トップ下のゴンサレス、ボランチのマットソンらが攻撃に工夫をもたらし、リズムを作る。
右サイドの縦関係を形成するSBペレラとMFラーセンも、川崎フロンターレの山根視来、家長昭博のような好連係を披露。対面に位置する斉藤光毅を苦しめていた。
こうしたなか、小川は引いた位置で3人に囲まれながらタメを作ったり、前線で敵を引き付ける効果的な動きを随所に見せていた。
ご存じの通り、チームでは1トップの定位置を確保。8月31日のリーグ開幕・エクセルシオール戦と、18日のヘラクレス戦で連続ゴールを挙げ、強烈なインパクトを残している。
大型FWが重用されるオランダにあって、185センチの日本人ストライカーがスタメンに抜擢されること自体、異例と言っていい。
その小川にとって1つの試金石となったのが、9月1日のスパルタ戦。パリ五輪世代のエース級・斉藤光毅が所属する同クラブは、今季開幕から絶好調で、3節終了時点でトップに立っていた。
その相手に小川がゴールやアシストという目に見える結果を残せるか。それ以外の仕事で存在感を示せるか。それが1つの注目点だった。
2人の"コウキ"が揃って先発したこの一戦。前半に主導権を握ったのはアウェーのNECだった。4-2-3-1布陣でスタートし、トップ下のゴンサレス、ボランチのマットソンらが攻撃に工夫をもたらし、リズムを作る。
右サイドの縦関係を形成するSBペレラとMFラーセンも、川崎フロンターレの山根視来、家長昭博のような好連係を披露。対面に位置する斉藤光毅を苦しめていた。
こうしたなか、小川は引いた位置で3人に囲まれながらタメを作ったり、前線で敵を引き付ける効果的な動きを随所に見せていた。
57分の先制点の場面も、右からのクロスが入った瞬間、ゴール前に陣取っていた小川が巧みにターゲットになり、こぼれたボールをボランチのプロペルが奪取。空いたスペースにドリブルで侵入して貴重な1点を奪っている。
76分までの出場で、小川自身のシュートチャンス自体はほとんどなかったものの、黒子の役割を確実にこなしていた。だからこそ、マイヤー監督に高く評価されているのだろう。
「オランダはどのチームにもデカいやつを1トップに置いていますし、ウチの監督もキープするところを求めていると思う。ただ、キープするのはデカいやつだけができるわけじゃない。良いタイミングで受けて相手に来られても、ブレずにキープする興梠(慎三/浦和)選手みたいなタイプもいます。
オランダのディフェンダーは結構突っ込んできますし、前に強いんで、自分がポンと当てられれば、もっと収められる感覚はある。そういったところにフォーカスしながら、違いを出していければいいですね」と、小川も手応えを感じつつある様子だ。
結局、試合は1-1のドロー。「勝ちたかったですね」と本人も苦笑いしていたが、首位相手に悪くない戦いができたのは収穫と見てよさそうだ。
「苦しい時間帯が多くて、攻撃の形や糸口をなかなか見つけられないまま、90分間が終わってしまったイメージですね。それでも相手の隙を突いて先制できて、勝点1を取れたのは悪い結果ではなかった。僕自身、味方をもっと知る必要があるし、僕の動き出しを見てもらえるような形を増やしていきたいと思います」と、小川は冷静に試合を振り返っていた。
【PHOTO】2023年夏に欧州で新天地を求めたサムライたち
76分までの出場で、小川自身のシュートチャンス自体はほとんどなかったものの、黒子の役割を確実にこなしていた。だからこそ、マイヤー監督に高く評価されているのだろう。
「オランダはどのチームにもデカいやつを1トップに置いていますし、ウチの監督もキープするところを求めていると思う。ただ、キープするのはデカいやつだけができるわけじゃない。良いタイミングで受けて相手に来られても、ブレずにキープする興梠(慎三/浦和)選手みたいなタイプもいます。
オランダのディフェンダーは結構突っ込んできますし、前に強いんで、自分がポンと当てられれば、もっと収められる感覚はある。そういったところにフォーカスしながら、違いを出していければいいですね」と、小川も手応えを感じつつある様子だ。
結局、試合は1-1のドロー。「勝ちたかったですね」と本人も苦笑いしていたが、首位相手に悪くない戦いができたのは収穫と見てよさそうだ。
「苦しい時間帯が多くて、攻撃の形や糸口をなかなか見つけられないまま、90分間が終わってしまったイメージですね。それでも相手の隙を突いて先制できて、勝点1を取れたのは悪い結果ではなかった。僕自身、味方をもっと知る必要があるし、僕の動き出しを見てもらえるような形を増やしていきたいと思います」と、小川は冷静に試合を振り返っていた。
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