「なんかジャンプがすごいな…」スパルタ斉藤光毅が惜しくも“すれ違った”上田綺世の印象を明かす。「僕も相手にそう思われたい」【現地発】

2023年08月21日 中田徹

斉藤と上田はほんの数分の差でピッチの上で交われず

今季もスパルタで中軸を担う斉藤(右)。この日も果敢な仕掛けでスタンドを沸かせた。(C)Getty Images

 8月20日に行なわれたオランダ・エールディビジのロッテルダム・ダービー、スパルタ対フェイエノールト戦が2-2の引き分けに終わってしばらくすると、フェイエノールトの番記者が「上田綺世は良いストライカーだ。空中戦で全部勝っていた。アルネ・スロット監督も褒めていたぞ」と唸っていた。
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 上田の出番は、スパルタが2-0とリードしていた64分から。サンティアゴ・ヒメネスと2トップを組んだ上田は68分、右ポスト際からヘッドでボールを折り返し、メンテーのヘディング弾をアシストしたかに思われたが、VARでオフサイドと判定されゴールは取り消されてしまう。その後も上田はポストプレーから2度、味方にビッグチャンスを作るなど、劣勢だった試合の流れを変えるのにひと役買った。

「自分でチームの状況を変えようと思って出ました。ピッチ内でのエネルギーもそう。流れを少しでも変えることができればいいかなと思っていた」(上田)

 チームメイトとの連携については「まだまだ」という上田だが、メンテーへの幻のアシスト、MFウィーファー、FWザウアーへのビッグチャンス創出のシーンを振り返ると、ゴールに繋がりそうなシーンで、上田とチームメイトが感じ合うプレーを見ることができた。

「もちろん収穫もあった。自分がどうやってシュートに持っていくか――というタイミングを作っていきたい」(上田)

 かたやスパルタの左ウインガー、斉藤光毅は64分間プレーした。先週の開幕節、対PECズウォーレ戦(2-1でスパルタが勝利)を右ハムストリングの負傷で欠場した斉藤は、オランダ代表右SBヘールトラウダの堅守に手を焼き、縦へのドリブルを封じ込まれてしまった。

「今日は全然ダメだった。キープもあんまりできなかった。コンディションが上がり切ってないというのもあると思うんですが…」(斉藤)

 スパルタのカウンター発動は、斉藤にボールが入るところから始まる。40分、CFブリムの先制ゴールはCBフリンズが奪取してから左サイドに張った斉藤にパスが渡ってから、中央、右と展開し生まれたもの。ここで2人を外した斉藤は、マークを外すという動きには自信を持っているよう。しかし、縦への推進力で深い位置までボールを運ぶプレーはできなかった。

「カウンターが多いなか、けっこう自分にボールが回ってきて、結果を残せない。そこが自分の課題なので、もっと突き詰めてやっていきたいです」(斉藤)
 
 斉藤と上田はほんの数分の差でピッチの上で交わることがなかった。

「自分は交代してしまったんで上田綺世選手を『見てる側』だったんですけれど、すごい怖い選手だな、なんかジャンプがすごいなと思いました。チームのCBの人に聞いたら『ジャンプがすごかった。めちゃジャンプしてきたので嫌だった』と言ってました。僕も相手にすごい選手だと思われたいので活躍したいです」(斉藤)

 昨シーズン、7ゴール・5アシストを記録した斉藤は今シーズン「8ゴール・6アシスト以上の数字を狙います」と言う。

「そんなに高い目標を掲げると自分は焦っちゃうタイプ。まずはコツコツと結果を残しながらチームに貢献したい。チームの役割をしっかり果たし、自分が生きるようにやっていきたいです」(斉藤)

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