【総体決勝展望】桐光学園&明秀日立の関東勢対決が実現! アグレッシブな両者による繊細な“駆け引き”に注目!

2023年08月04日 安藤隆人

因縁がある両チーム。大会前にはトレーニングマッチを実施

桐光学園の齋藤(左)と明秀日立の根岸(右)。インターハイ決勝は関東勢同士の一戦となった。写真:安藤隆人

 7月29日に開幕をしたインターハイもいよいよ残すところ1試合となった。ファイナリストとなったのは桐光学園(神奈川)と明秀日立(茨城)。8月4日に行なわれる関東勢対決となった戦いをプレビューしていきたい。

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 まず、両者には因縁がある。桐光学園・鈴木勝大監督と明秀日立・萬場努監督は親交があり、インターハイの2週間前に茨城で、今大会に向けてのシミュレーションを意識したトレーニングマッチを行なった。

 その試合では桐光学園が先制するも、その後に3点を奪った明秀日立が、3-1で勝利を収めた。

 この試合の持つ意味は双方において大きく、静岡学園、青森山田とプレミアリーグの東西首位チームが同居する激戦ブロックに入っていた明秀日立にとっては、全国トップレベルの桐光学園に逆転勝利を収めたことで、しっかりと準備をして臨めば戦えるという手応えを掴むことができた。

 一方で桐光学園も「非常にまとまりのあるいいチーム。あの敗戦で我々も『しっかりと気持ちをもって戦わないといけない』と改めて思い知ることができた」と、先制した後の試合運びや相手の勢いに飲まれた時にどうすべきかを、本番前に反省を持ってシミュレーションできた。

 その両者が全国の決勝で雌雄を決することとなった。
 
 桐光学園はアタッカー陣に強烈なタレントを揃える。右の松田悠世と左の齋藤俊輔のドリブラーはテクニック、スピード、シュート、パスのスキルが高い。かつ両サイドからただ仕掛けるだけではなく、お互いの勝負するタイミング、ボールを受けるポジションなどを把握し合って、イメージを共有しながら頭脳的に仕掛けることができる。それが攻撃の破壊力を倍増させている。

 前線にはポストプレー、空中戦、裏抜けも得意な万能ストライカーの宮下拓弥が起点となり、その背後からタイミングを見た飛び出しと突破力を有したFW丸茂晴翔が仕掛けてくる。

 まさに中から、外から自在に仕掛けてくる攻撃力に加え、今大会に入って試合を重ねるごとに守備が整ってきたのが勝ち上がりの大きな要因となった。

 GK渡辺勇樹が的確なコーチングと安定したゴールキーピングを見せると、春先までBチームにいたが、一気に頭角を表してきたCB川村優介が強烈なリーダーシップを発揮。182センチで対人の強さを発揮するCB平田翔之介との連係も抜群だ。

 3回戦までは攻撃陣がその力を見せつけ、準々決勝と準決勝は守備陣が集中力を切らさない見事な守備で、個性的なアタッカー陣を強力サポートした。
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