【サッカーダイジェストの視点】グループ首位通過が決定! 競争煽る手倉森流マネジメントが好循環を生む

2016年01月17日 本田健介(サッカーダイジェスト)

北朝鮮戦で沈黙したアタッカー陣が、タイ戦では奮起。

スタメンを6人入れ替える采配を見せた手倉森監督。競争を煽り、チーム内に好循環を生み出した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 初戦の北朝鮮戦を勝利で飾り、続くタイ戦を前に手倉森監督はこんなことを語っていた。
 
「(タイ戦では)アタッカー陣の奮起を促す意味でも、(北朝鮮戦で出番のなかった選手に)チャンスを与えたい。選手にはもともとグループリーグでは体力(の消耗)を分散していくぞという話はしていた。誰が出てもやれるという面を示しめせば、決勝トーナメントで戦う相手は戸惑ってくれるはず」
 
 本来結果が出ているチームをいじるなというのはサッカーに限らず、スポーツ界の定石と言える。しかし手倉森監督はタイ戦で、自身の言葉通り初戦から6人の選手を入れ替えた。新たに先発に名を連ねたのは、奈良、亀川、原川、豊川、矢島、浅野。そして、後半にはオナイウ、久保、南野を起用した。
 
 そのなかで"アタッカー陣の奮起"を促した指揮官の期待に見事に応えたのが、ゴールという結果を残した矢島と久保、そして好パフォーマンスを見せたオナイウだ。
 
 指揮官は「チームの勢い、バリエーションが増え、フレッシュな人間で回していけている。これで3戦目、準々決勝を見据えながら戦える。そのなかでしっかりと勝点を拾っていけば、チームとして自信がつくと思う」と語る。
 
 海外組の久保、南野、これまで主軸を担ってきた中島、大島でさえレギュラーに固定せずに、コンディションを考慮した選手起用をする。今のU-23代表には「誰が出ても責任感を持ってプレーする」(遠藤)という理想的な好循環が生まれている。
 
 そして日本がタイを破って決勝トーナメント進出を決めた後に行なわれた北朝鮮対サウジアラビアの試合は、撃ち合いの末に3-3の引き分けに終わり、最終戦を待たずして日本のグループ首位突破が決定。次戦のサウジアラビア戦で、日本はさらに選手の入れ替えをして臨む可能性が高い。果たして今度は、どの選手が活躍を見せるのか、期待は膨らむばかりだ。
 

次ページ2連勝も相手に恵まれた感も。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事