「結果で恩返しをしたい」トップチームデビューで有言実行! 大宮U18のCB市原吏音、クラブの未来を担う逸材の意識変化

2023年07月20日 安藤隆人

「本当に選手を大事にしてくれるクラブ。感謝しかない」

大宮U18のCB市原。圧倒的な空中戦の強さと出足の鋭さを持つ。写真:安藤隆人

「アルディージャは在籍9年目。ジュニア、ジュニアユース、ユースとずっと過ごしてきて、本当に選手を大事にしてくれるクラブ。感謝しかないし、その感謝はプレーでしか返せないと思っているので、結果で恩返しをしたい」

 7月9日に行なわれたプレミアリーグEAST第11節、アウェーの流経大柏戦の試合後、大宮U18のCB市原吏音はこう話していた。

 この試合で4バックの右CBとして出場した市原は、圧倒的な空中戦の強さと出足の鋭さ、球際の強さを見せる一方で、こまめにラインをコントロールしながら、マイボールにしたら攻撃のスイッチを入れるミドル、ロングパスを供給。攻守において絶大な存在感を放ち、2-1の勝利に貢献をしていた。

 そして、そのわずか3日後と1週間後に早くも冒頭の言葉を有言実行した。

 トップチームに2種登録されている市原は、12日の天皇杯3回戦、アウェーのセレッソ大阪戦の先発に名を連ね、クラブ史上最年少となる18歳と5日でのトップデビュー果たした。この試合は1-3で敗れたが、16日のJ2第26節・栃木SC戦にスタメン出場し、Jデビューを飾ると、3バックの左として持ち前の高さと粘り強い守備を披露。0-0のドロー決着に貢献した。

 18歳とは思えない落ち着いたプレーは、クラブの将来において大きな期待を抱かせるものであった。
 
 プレミアEASTの流経大柏戦を取材した時、市原の成長ぶりにかなりの衝撃を受けた。前述した通り、この試合で間違いなく一番存在感を放っていた。前回見た時よりもヘディングの質はかなり向上し、何より守備時の身体の向きやステップワークが、常に変化する状況に瞬時に対応できる仕様になっていたのが驚きだった。

 以前の市原は守備時にステップを踏んだり、身体の向きを変えたりせずに、ボールが入ってから動き出すというイメージだった。しかし、流経大柏戦ではこまめに身体の向きを変えたり、両足でステップを踏みながら、ボールの動きに合わせて動いたりしていた。

 この変化について本人に聞くと、「今年の春先までの自分は突っ立っているというか、今思うと本当に準備不足でした。プレーをしていても『これで背後に来たら対応できるの?』と自分でも疑問を抱くくらいでした」と語ったように、自らの課題として把握はしていた。
【PHOTO】雨の中、愛するチームと共に戦った大宮アルディージャサポーター!

次ページU-19代表の活動が大きな転機に

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事