「這い上がってこれた」東北1部経験者が大観衆の国立で躍動!ジェフ日高大はJ2初挑戦で先発定着も満足せず「もっとチームのために」

2023年07月18日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ひどいグラウンドでもやっていたなかで...」

地域リーグから這い上がってきた日高。(C)SOCCER DIGEST

[J2第26節]清水 2-2 千葉/7月16日/国立競技場

 ジェフユナイテッド千葉はJ2第26節で、清水エスパルスと国立競技場で対戦。15分に先制を許するも、17分に見木友哉、47分には小森飛絢のゴールで一時は逆転したが、66分に追いつかれて、2-2で引き分けた。

 4万7628人が会場を訪れてJ2最多入場者数を記録した一戦で、印象的なパフォーマンスを見せていたのが、左SBでフル出場した日高大だ。小森の得点では、自慢の左足から放ったロングキックが起点となった。

【動画】日高大のロングキックが起点に!小森飛絢の鮮やかボレー弾

 試合後に取材に応じた日高は、勝利を掴めなかった点や、失点の場面で相手のアタッカーに裏を取られたプレーを反省。「めちゃくちゃ悔しい試合だった」と振り返った。

 そんな28歳の経歴は、派手なものではない。流通経済大を卒業後にJFLのHonda FCを経て、2019年に当時、東北1部だったいわきFCへ移籍。その後、チームとともにJFL、J3にステップアップして、今季は千葉に加入。自身初のJ2を戦っている。

 着実に階段をかけ上がってきた男が、"聖地"のピッチに立って逞しく戦った。その感想を訊くと、日高はこう答えた。
 
「個人的には、東北1部から、ひどいグラウンドでもやっていたなかで、自分としては這い上がってこれたという実感が湧いた瞬間でもあった。こういう舞台で結果を残さないといけないという責任感も感じた。嬉しい気持ちと、悔しい気持ちのほうが強いけど、国立でプレーできたのは、感謝しかない」

 今季は、第4節のブラウブリッツ秋田戦で初めて出番を得ると、その後はスタメンに定着して、ここまで22試合に出場。鋭い突破や正確なクロスを武器に、躍動している。18節のベガルタ仙台戦では鮮やかな直接FK、24節の大宮アルディージャ戦では豪快なダイレクトボレーで、ともにゴールネットを揺らした。

 移籍1年目から活躍しているが、本人から満足した様子は感じられない。自身のプレーを「清水さんを相手に結果を出せないところで、まだまだ」と語る。

 そして「現状には満足していない。むしろ、課題のほうが多い。もっとチームのために、チームの力になれるように頑張りたい」とさらなる向上を誓った。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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