【セルジオ越後の天国と地獄】“5つの視点”で2016年のサッカーシーンを一刀両断!

2016年01月08日 サッカーダイジェスト編集部

手倉森ジャパンはいまだ“謎”のチームだ。

アジア最終予選に挑む手倉森ジャパン。2016年シーンの先陣を切るだけに、是が非でもリオ行きを決めてほしいね。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

[視点①]
ハリルジャパンに望む"サバイバル"
 
 今年はまさにサッカーイヤーだね。1月にはさっそく男子のリオ五輪アジア最終予選があり、2月には女子の最終予選、3月にはロシア・ワールドカップの2次予選の残り試合が予定されている。
 
 6月には5年ぶりに復活したキリンカップサッカーが開催され、そして男女ともアジアでの厳しい戦いを勝ち抜けていれば、8月にはリオ五輪の本大会がある。それが終わると、秋にはロシア大会の最終予選だ。
 
 代表活動が中心となるけど、ほとんど切れ目なく、注目度の高い大会が続くわけだから、多くのファンやサポーターも楽しみにしているんじゃないかな。
 
 そうしたなかで、代表チームの頂点に立つハリルジャパンに望むのは"サバイバル"だ。最終予選を勝ち抜くためには、レギュラー争いのさらなる活性化で新陳代謝を促し、チーム力をさらに高めたい。
 
 そのためにも重要なのが、リオ五輪であるのは間違いない。
 
 ブラジルの地で選手たちが躍動し、良い結果を出して、貴重な経験を積んだ彼らがA代表にも名を連ねてほしい。今のハリルジャパンを見ていると、下からの突き上げがなければ、現状維持が精いっぱいのような気がしてならないんだ。
 
 これまでは本田や香川に頼り過ぎていたんだ。この状況が変わらない限り、明るい未来を描くのは難しいよ。
 
[視点②]
手倉森ジャパンへの拭えない不安
 
 リオ五輪の重要性について触れたけど、その前に、直前に迫ったカタールでの最終予選を勝ち抜かなければ話にならない。サッカーイヤーの先陣を切るわけで、ここで勝つか負けるかは、その後の日本サッカーへの注目度を大きく左右すると言っても過言ではない。
 
 最終予選のグループリーグ初戦は、核実験で物議を醸している北朝鮮。タイとの試合を挟み、最後はイランとの外交関係を断絶したサウジアラビアだ。
 
 社会面でなにかと話題になる国との対戦だ。日本のメディアはサッカー以外の部分で加熱する傾向があるけど、余計な雑音がチームに影響しなければいいね。
 
 是が非でもリオ行きを決めてほしいけど、ただ、手倉森ジャパンは僕からすれば、すごく"謎"のチームだ。思うようにチーム作りができなかったこともあると思うけど、最後までどの面子がベストなのか、見えてこなかったのが不安だよ。
 
 4年前と比べて、五輪を目指すチームが万全の準備を整えられたかと言えば、首を傾げざるを得ない。ぶっつけ本番じゃないけど、ある意味、戦ってみないと分からないね。
 
 万が一、負けた時に、「厳しい戦いを通じて選手を育てることができた」なんて、そんな言い訳は聞きたくないね。五輪出場に失敗したら、手倉森監督を抜擢した協会も、なんらかの責任を取るべきだと思うよ。
 

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