【移籍専門記者コラム】今冬のメルカートでも台風の目に? 優れた強化部門を持つ中小クラブ・5選

2016年01月06日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

デ・カルバリョ会長はエージェントからの評判も良い。

スポルティングのデ・カルバリョ会長は、今や「欧州の移籍マーケットでもっとも仕事がしやすく興味深い人物のひとり」という声もある。(C)Getty Images

 メガクラブというカテゴリーからは外れるが、優秀な強化部門を武器に移籍市場で大きな影響力を持つ中小クラブはいくつかある。
 
 その中で、とりわけ評価に値するクラブを5つ挙げるとすれば、ポルトガルのスポルティングとポルト、プレミアリーグのワトフォード、ウクライナのシャフタール、そしてルーマニアのヴィートルルとなる。
 
 スポルティングは、ルイス・フィーゴやクリスチアーノ・ロナウド、ナニを輩出したことで知られるとおり、充実した育成部門には定評があるが、近年は移籍市場でも存在感を高めつつある。
 
 全権を握っているのは43歳の会長、ブルーノ・デ・カルバリョ。信頼できる数人の直属スタッフ(スカウト、弁護士、財務担当など)のサポートを受けながら、交渉から決断まですべての責任を担っている。
 
 若いタレントの発掘と青田買いを得意とするだけでなく、チームに必要な中堅・ベテランをピンポイントで特定し、補強する手腕にも優れており、必要ならば予算をかけることも厭わない。今夏に宿敵ベンフィカからジョルジュ・ジェズス監督を引き抜いて世間をあっと言わせたのは、その一例だ。
 
 デ・カルバリョ会長はエージェントからの評判も良く、今や「欧州の移籍マーケットでもっとも仕事がしやすく興味深い人物のひとり」という声さえあるほどだ。
 
 この原稿のために代理人やSD(スポーツディレクター)に取材をするまで、ポルトガルの中ではポルトの強化部門がもっとも高く評価されていると思い込んでいたが、実際は、スポルティングが圧倒的に上。私にとってこれは大きな驚きだった。

次ページポッツォ家の「第3のクラブ」がワトフォードだ。

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