【バイタルエリアの仕事人】vol.29 井手口陽介|「攻撃より守備のほうがやりがいを感じている」故郷の福岡で再出発した26歳が“ボランチの理想像”と語る選手は?

2023年06月27日 中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

「純粋にピッチでプレーしたいという想いが強かった」

福岡では長谷部監督から、より攻撃面での貢献も求められているという井手口。写真:滝川敏之

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第29回は、アビスパ福岡のMF井手口陽介だ。

 ジュニアユースからガンバ大阪の下部組織で育ち、17歳の時に同クラブでプロデビューを果たす。これまで各世代の日本代表に名を連ねており、19歳でリオ五輪のメンバーにも選出。20歳でA代表デビューを飾った。

 そんな順風満帆なキャリアを歩む一方で、欧州リーグでは思うように出番を得られず、今年2月にセルティックからの期限付き移籍でアビスパ福岡に加入。経験豊富な26歳は、生まれ故郷の福岡で再出発を切った。

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 セルティックでは1年間試合に出られなくて、純粋にピッチでプレーしたいという想いが強かったです。移籍を考えるなかで、最初は日本に戻るというのは視野に入れてなかったのですが、なかなかチームが見つからなかった時に、アビスパが声をかけてくれたので、迷いなく決断しました。

 アビスパは選手、スタッフを含めて、みんなとても仲が良いです。チームのサッカーは自分に合っていると思いますけど、よりそのスタイルを追求していかなければいけないですし、もっと全体を良い方向に持っていくようなチーム作りも大事にしたいと思っています。
 
 そんななかで、移籍後に初先発した試合(第3節・柏レイソル戦)で怪我をしてしまい、長期離脱を強いられました。チームの役に立ちたいという気持ちがとても強かったので、シンプルに悔しかったですし、歯がゆい気持ちでした。

 でも、あまり考えすぎずに3か月間、リハビリに励み、先日のガンバ大阪戦でようやく復帰できました。今後はゴールやアシストという結果を示していきたいと思っています。

 ガンバにいた時は、攻撃に特長のある選手が多かったので、自分はどちらかと言えば守備で貢献して、攻撃は任せるわけではないですが、タイミングよく絡めるように意識していました。

 アビスパでは、長谷部(茂利)監督からより攻撃への関わりも求められているので、守備では気の利いたプレーをしつつ、攻撃の質も高めて、どんどん顔を出せる選手になっていきたいです。
 

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