「ロドリがいなければ不可能だった」ペップが絶賛したシティMFの“覚醒”。ビジャレアル時代の先達は「最初の練習からミスをしなかった」【現地発】

2023年06月24日 エル・パイス紙

そのポジションで世界トップ3に入る実力者と呼ばれるまでに

シティの3冠に貢献したロドリ。(C)Getty Images

「誰もが(アーリング・)ハーランドのことを口にするが、ロドリがいなければすべてが不可能だった。我々にとって最高のミッドフィルダーに成長した。圧倒的なプレーを見せている」

 ジョゼップ・グアルディオラ監督は、マンチェスター・シティがエティハド・スタジアムで昨シーズンの王者、レアル・マドリーを葬り去った後、最大級の賛辞を贈った。

 アトレティコ・マドリーが設定した7000万ユーロの契約解除金を支払うことを決めた19年夏以来、シティのサッカーは27歳のマドリード出身のMFを中心に展開されてきた。

 ロドリが担っているのは、マイボールを重視したリスキーな攻めとオフ・ザ・ボールの局面の両面からアプローチを取る攻守のかじ取り役だ。地上戦でも空中戦でも競り合いに強さを発揮する恵まれたフィジカル、正確なパス、高度な戦術的インテリジェンスを武器に、現役スペイン人選手の中で唯一、そのポジションで世界トップ3に入る実力者と呼ばれるまでになった。

【動画】CL決勝で決めたロドリのゴラッソ
 ロドリは、年々、着実に進歩を遂げ、自らのプレーを巡る論争を終結させてきた。第一にプレミアリーグ特有の激しいリズムとフィジカルコンタクトに基づいたサッカーに適応。第二にDFの間を縫うパスの精度と威力を高めることで、横パスに頼りすぎるという声を黙らせた。

 そして第三に、グアルディオラの要求と台本のもと、相手ボックス付近でも有用なリソースとしても機能。バイタルエリアのスペースを消し、ゴール前を固められた際にフィニッシャー役を果敢に買って出た。

「パーソナリティとチーム内での重みという点で、今シーズン、一段上の存在になった。イングランドでは、プレミア最高のミッドフィルダーとの呼び声も高い。ドリブルで局面を動かし、前線へラストパスを供給し、強度の高い守備を見せてと自分の役割を全うすることで、これまで以上に中盤の要として存在感を放っている。アンカーというポジションでプレーする僕のような選手にとって、彼のパフォーマンスを見るのはとても贅沢なことだ」

 昨シーズンまでサウサンプトンに所属し、プレミアでの歩みをつぶさに観察してきたオリオル・ロメオ(現ジローナ)がそう評価する。

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