【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「2015年総括&2016年展望――来年はタイトル獲得に貢献するかも!?」

2015年12月30日 マルコ・パソット

どん底に落ちた2015年…。ならばこれからはもう登るだけだ!

悔いを残したアジアカップ、悪コンディション、スタメン落ち、舌禍騒動……ネガティブな要素に彩られた感のある2015年。しかし、苦しかった年の最後に浮上のきっかけは掴んだ。2016年、本田が良い1年を迎えられるかは、最初の数試合に懸かっている!? (C) Getty Images

 2015年を良い形で終えたことは、ミランにとっても本田にとっても、来年に希望を繋ぐこととなった。
 
 最後の2試合(コッパ・イタリア5回戦のサンプドリア戦とセリエA第17節のフロジノーネ戦)での勝利はミランに自信を持たせ、何かが変わるかもしれないという予感をもたらした。
 
 吹き始めた風はまだ、あまりにも弱い。しかしそれでも、ミラネッロの空気はどこか違っている。
 
 さて、新たな年を目前にした今年最後のコラムでは、ミランと本田の今年を総括するとともに、来る2016年の行方を占ってみたいと思う。
 
 15年のミランの成績は、決して喜べるのではなかった。1年間(1月から12月まで)でミランがリーグ戦で獲得した勝点は55で、順位は9位。内訳は15勝10分け14敗と、どこを切っても中程度の平凡なチームの数字である。
 
 本田に関しては、コッパ・イタリアを含めても出場は29試合。ゴールに至っては、12か月でたった1本である。このデータを見れば、今年は本田のこれまでのサッカー人生においても、最悪の1年だったことが誰にでも分かるだろう。
 
 しかし、どん底に落ちてしまったなら、あとはもう登るしかない。そして本田は、それだけの力は持っている。
 
 今年最後の試合となったフロジノーネ戦での出来が良く、ミハイロビッチ監督に好印象を与えたことで、新年もしばらくは連続して登用してもらえるかもしれない。
 
 ライバルのチェルチはここ最近ずっと不調であり、ニアングはサイドハーフよりトップとして使ったほうが有効だ。ボアテングは、試合のリズムについていけていない。つまり、あと2、3試合本田が良いところを見せれば、右サイドのポジションはまた、彼のものになるかもしれない。
 
 ただし、ライバルがやって来る可能性はある。そう、1月には冬の移籍市場が開くのだ。
 
 例えば、獲得候補としてラツィオのカンドレーバなどの名前が挙がっている。この代表クラスのオールマイティな中盤選手は、ミランにとって魅力的だ。だが、彼の値段は3000万ユーロを下らない。夏に大金を使ってしまったミランにとっては、あまりにも高すぎる額である。
 
 そういった台所事情もあってか、ガッリアーニ副会長は最近、やけに本田を賞賛する。本田をやる気にさせ、同時にミハイロビッチに対しては、本田を使えと暗にメッセージを送っているとも捉えることができる。

次ページコッパ決勝までは進出の可能性高し! 5年ぶりのタイトルは!?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事