【選手権代表校】矢板中央(栃木)|攻守に充実の陣容で2009年度以来の4強入りを目指す

2015年12月30日 安藤隆人

攻撃の構成力は例年以上。最終ラインも屈強なCBコンビを中心に堅守を築く。

矢板中央(栃木)
所在地:栃木県矢板市扇町2-1519
創 立:1957年 創 部:1971年
選手権最高成績:ベスト4(2009年度)
主なOB:富山貴光(大宮)、湯澤洋介(栃木)など。
写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 堅守速攻を伝統とするチームにおいて、今年のそのクオリティーは相当高いものとなっている。
 
 もともと今年のチームは大きな期待を集める代だった。1年時から出場機会を得ている選手が多く、彼らが順調に成長し、大きな柱となっている。FW森本ヒマン、MF人見拓哉、DF星キョーワァン、川上優樹という強烈な個を持った選手達が最高学年を迎えたのだ。
 
 なかでも星と川上はCBコンビを組んで3年目で、その連係はかなりスムーズだ。
 
「自分の良さと、優樹の良さ。それを理解しているからこそ、僕らがどういうプレーを選択すべきかがすぐに分かるんです。優樹の持ち味を出すのは自分だし、自分の持ち味を引き出してくれるのは優樹。良い関係でやれています」と星が語るように、このふたりが強固な壁を構築することで、チームは安定している。
 
 さらに2人ともラインコントロールが上手く、高いラインを構築することで、ボールを奪ってからの展開の精度も増している。
 
 このふたりのフィードから、森本が屈強なフィジカルを生かしてボールを収めると、そこから2年生FW澤野祐輝、右MFの江口大希、ボランチの坪川潤之がセカンドボールを拾って、ポゼッションとドリブルを駆使して、一気に攻めきる。ナンバー10を背負う人見拓哉は、現状はレギュラーでは無いが、技術の高さとシュートセンスは抜きん出ており、流れを変える際にはチームにとってなくてはならない存在になっている。
 
「今年は守備から攻撃のスピードを大事にしている。堅い守備とボール奪取はもちろん、奪ってから単純にロングボールを蹴るのではなく、森本や澤野が生きる場所にしっかりとボールを送って、周りが一気に距離を詰めて、前への推進力を持っていく。このスピード感こそ、今年のチームの強み」
 
 チームを全国屈指の強豪に育て上げた高橋健二監督がこう語るように、ロングボールに対する反応スピード、そして攻撃の構成力は例年以上に高いのが特徴だ。
 

次ページ献身的なボランチがチームをより強固に。

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