超長身189cmにして50mを6.3秒で走破! 修徳の規格外FWが示す特大のポテンシャルにJスカウトも熱視線【総体予選】

2023年06月11日 松尾祐希

FC東京U-15深川出身でナイジェリアにルーツを持つ

明星学園戦で2得点と気を吐いたンワディケ。スケールの大きなストライカーだ。写真:松尾祐希

 まさに跳んで良し、走って良し、競って良し。元々はドリブラーとあって足下の技術も高い。元日本代表のMF北澤豪氏らを輩出してきた古豪・修徳に、Jクラブが注目する超大型プレーヤーがいる。FWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(3年)だ。

 虎視眈々とブレイクの機会を窺うストライカーが有するポテンシャルは特大。189センチのサイズとバネを活かした空中戦の強さ、さらには50mを6.3秒で走るスピード、当たり負けしないフィジカルと、いずれも高校年代でトップクラスの実力だ。

 チームを率いる吉田拓也監督もンワディケの潜在能力に大きな期待を寄せている。

「ブライアンはデカくて速いし、しかも巧さもある。キックも得意。まだまだいろんなものが繋がっていなくて、完全に力を発揮できているわけではないけど、上のレベルでやっていけばやっていくほど良くなる選手。本当に可能性を持った子だと感じています」

 6月10日に行なわれた全国高校総体(インターハイ)の東京都予選・準々決勝で、修徳は明星学園に6-0の勝利を収めてベスト4進出を果たした。準決勝で勝利すれば本大会行きが確定する。ンワディケはこの試合で自慢のヘッドと華麗な足技で2ゴールをマークし、小さくない貢献を果たした。

 ナイジェリア人の父を持つ点取り屋はFC東京U-15深川の出身だ。中学3年初めの頃までは170センチほどしかなく、俊敏性と技術力を武器にするサイドアタッカーだった。規格外のサイズを利したパワフルなプレーが身上の現在のスタイルからは想像もつかないだろう。
 
 プレースタイルが変わったきっかけは中学3年の春だ。

「父親が181センチぐらいだったので、身長は最終的に伸びると思っていた。でも、自分が思った以上に成長期が来なかったんです」

 選手本人が話す通り、まったく身長が伸びる気配を感じていなかったが、中3の春に腰椎すべり症(椎体と椎体がずれることで、変性して突出した椎間板、およびずれた椎体の後方の骨縁などにて馬尾神経、神経根などが圧迫される状態)を発症。すると、サッカーから離れている間に著しく身体が成長する。中学3年の1年間で10センチも伸び、高校入学後も成長を続けて現在に至る。

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