【日本人欧州組の前半戦通信簿|MF編】香川がトゥヘルの下で躍動する一方、本田は茨の道が続く

2015年12月30日 遠藤孝輔、弓削高志

12月下旬に結果を出した本田だが…。

12月20日のセリエA17節では、アバーテの同点弾をアシストした本田。それでも周囲の評に大きな変化はなく、まだまだ安泰とは言えない。(C) Getty Images

 欧州の各国リーグで鎬を削る日本人選手たちの前半戦の出来は、いかなるものだったのか。『◎大変よくできました』、『〇よくできました』、『△可もなく不可もなし』、『×頑張りましょう』の4段階で評価した「通信簿」をお届けする。
 
※成績は2015年12月30日現在の国内リーグ
――◆――◆――
 
本田圭佑(ミラン=イタリア)
12試合・0ゴール・1アシスト
評価:☓がんばりましょう
ガゼッタ・デッロ・スポルト紙による平均採点:5.2点
 
 10月初旬のクラブ批判発言以来、本田はミランでの居場所を失ってしまった。開幕当初こそ新指揮官ミハイロビッチによる4-3-1-2のトップ下として先発の機会を得たが、結果を残せなかった。
 
 8節のトリノ戦以降は、すべて後半途中からのわずかな出場時間のプレーに留まる。地元メディアから採点すら貰えず、厳しい言い方をすれば"時間稼ぎ要員"としての扱い。指揮官は「本田にはチャンスは与えたはずだ」と冷淡そのものだ。
 
 チームは上位進出の足がかりをつかめず、クラブ内の後ろ盾を持たない監督自身の去就も定かでない中、本田は12月17日のコッパ・イタリアでようやく今シーズン初アシストを記録し、その3日後のフロジノーネ戦でも同点弾をアシストした。それでも周囲の評価は厳しく、ライバルも少なくない。後半戦も茨の道は続きそうだ。
 
 長谷部 誠(フランクフルト=ドイツ)
16試合・0ゴール・1アシスト
評価:○よくできました
キッカー誌の平均採点:3.88
 
 国内リーグでの出場時間がチーム3位の1360分を記録したとおり、フェー新監督からの信頼が厚かった。その指揮官が率いたヴォルフスブルク時代に経験済みの右SBを主戦場としながら、右インサイドハーフや本職のボランチも担当。いずれのポジションでも献身的に振る舞えるチームプレーヤーとしていぶし銀の輝きを放った。
 
 右SBでも堅実な働きを見せた一方で、中盤での起用時はより気の利いた仕事をこなしていた。試合中にポジションが変わるケースもあったため、あくまで参考資料に過ぎないが、興味深いのが『キッカー』誌の評価だ。MFでの先発出場時に限れば、長谷部の平均採点は「3.69」まで跳ね上がる。
 
 ボランチの序列で一番手のライナルツが故障から復帰する後半戦、その司令塔と2ボランチを組むのか、再び右サイドバックを務めるのか。フェー監督の采配に注目だ。

次ページチームの歯車としての活躍が光った香川。

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