移籍1年目の浦和FW髙橋利樹が示したポテンシャル。興梠ら強力なライバルとの争いに意気込み「自分には自分の良さがある」

2023年05月26日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

個人技で家長のファウルを誘発

本職ではないポジションでの出場だった髙橋。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[ルヴァン杯・第5節]浦和2-1川崎/5月24日/埼玉スタジアム2002

 浦和レッズは5月24日、ホームで開催されたルヴァンカップのグループステージ第5節で川崎フロンターレと対戦。開始3分に先制されたが、51分にホセ・カンテの来日初ゴールで追いつくと、89分に相手のオウンゴールで逆転。2-1で競り勝った。

 劇的な幕切れとなった一戦で、グループステージ第1節以来、今季公式戦2試合目の出場を果たしたのが、FW髙橋利樹だ。80分に左サイドハーフで投入されると、88分には川崎の家長昭博のファウルを誘う個人技を披露。逆転となるオウンゴールのシーンでは、起点となるプレーも。自陣で安居海渡とともにジョアン・シミッチを挟んでボールを奪い、巧みなヒールパスでつないだ。

 髙橋は国士舘大を卒業後の2020年にロアッソ熊本に加入。1年目から出場機会を得て、21年までにJ3通算55試合で17得点。チームがJ2に昇格した昨季は40試合で14ゴールをマーク。今季、浦和に完全移籍した。

 ルヴァンカップでは早々にスタメンで起用されたが、1節の湘南ベルマーレ戦では15分で負傷交代。その後は、リーグ戦とともにメンバー入りはならず、川崎戦が約2か月半ぶりの公式戦出場だった。

 試合後に取材に応じた髙橋は、「試合勘は不安要素だったけど、ピッチに入ったら、自分の特長というか、チームがきつい時間帯だったので、とにかく走ろうという気持ちで入った」と振り返る。
 
 家長とのマッチアップでは「(GKの鈴木)彩艶からボールを受けて、相手2人が見えたので、1枚目(家長)をはがそうと思っていた」として、鋭い切り返しで翻弄した。

 緊張は「あまりしなかった」と言うが、オウンゴールにつながるヒールパスは、「試合に夢中になって、あまり記憶がない」と明かした。

 本職のFWではなく、左サイドでの起用は前日にマチェイ・スコルジャ監督から告げられたという。高校時代はプレー経験のあるポジションで、ベンチにいた前半に「(サイドハーフだった)ダヴィド(・モーベルグ)やブライアン(・リンセン)の動きを見ながら、自分が出たら、どういう風にプレーするかを考えていた」と、適応力の高さをうかがわせる。

 J1デビューは、まだ果たせていない。同じFWの興梠慎三とカンテについて「強力なライバルだと思うが、これから自分が2人を追い越せるようにならないとチームは上には行けないと思う。慎三さんには慎三さん、ホセにはホセ、自分には自分の良さがあると思うので、監督から信頼して使ってもらえるように練習から、意識して挑みたい」と意気込んだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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