【プレミア現地コラム】モウリーニョの後任に69歳のヒディンクが決定!! 求められるのは「火付け役」としての腕前だ

2015年12月21日 山中忍

まず火をつけるべきは、主力のハート。

モウリーニョの解任が発表された後に迎えた12月19日のサンダーランド戦は、オーナーのアブラヒモビッチ(右)やアシスタントとしての参画が噂されるドログバ(中央)とともにスタンドで観戦。初陣は12月26日のワトフォード戦になりそうだ。 (C)Getty Images

 12月19日、フース・ヒディンクがチェルシーと2008-09シーズンに次ぐ二度目の暫定指揮に合意した。
 
 クラブは前々日のジョゼ・モウリーニョ解任理由をチーム内の「不和」としているが、後を託された69歳のベテラン監督に求められるのは、内輪揉めの火消し役ではなく、「火付け役」としての腕前だ。
 
 まず火をつけるべきは、主力のハート。やる気を失っているとまでは言わないものの、今シーズンのチェルシーには気概が感じられない。飴と鞭を巧みに使い分けるモウリーニョながら、今シーズンは鞭を打ち過ぎた。
 
 奮起を促す狙いがあったとはいえ、名指しによる選手批判が始まったのは、開幕早々の8月後半からだ。下位に低迷して自信を落とす一方の選手たちは、次第に鞭に応える気力を失っていった。
 
 その点、ヒディンクは選手の肩に手を回して傷ついた心を癒すタイプ。前監督の叱咤を過剰に受けていた主力のひとりに、会見の場で繰り返し守備面を非難されたエデン・アザールがいるが、暫定監督はリードした局面で「逃げ切り」ではなく「追加点を取りにいく」タイプでもある。
 
 ピッチ上で笑顔を忘れかけている24歳には、心機一転のきっかけとなり得るはずだ。

次ページユース出身の若手逸材を積極起用すべきだ。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事