【採点寸評|神戸】ハマらないプレスを修正できず…終始劣勢で課題が目立つ一戦に[J1第14節 柏1-1神戸]

2023年05月21日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

エースの決定力と身体を張った守備で勝点1を死守

【警告】柏=戸嶋(71分)、片山(90+4分) 神戸=泉(80分)
【退場】なし

 Jリーグは5月20日、J1第14節の8試合を各地で開催。三協フロンテア柏スタジアムでは柏レイソル対ヴィッセル神戸が行なわれ、1-1のドロー決着となった。
【PHOTO】神戸の出場13選手&監督の採点・寸評。格の違いを見せつけた大迫。痛恨オウンゴールの本多は…
 神戸は24分、汰木康也が左サイドからクロスを上げると、ペナルティエリア内でボールを収めた武藤嘉紀から横パスを受けた大迫勇也が冷静に右足で決めて先制。このゴールで、大迫は今季10得点目となった。

 迎えた後半、66分に柏の細谷真大にプレスを受けた神戸の本多勇喜がバックパスを出すと、ゴールマウスを外した位置取りをしていたGK前川黛也に渡らず、そのままゴールイン。オウンゴールで、井原正巳新監督の初陣だった柏が追いついた。

 その後、柏は細谷や途中出場のフロートが決定機を迎えたが、勝ち越し点ならず。1-1の引き分けで、勝点1を分け合った。
 
▼神戸のチーム採点「5.5」
 アウェーでのドローで5戦無敗となったが、試合を通じて劣勢で、課題が目立つ一戦となった。

 数少ないチャンスを活かしたエースの大迫は見事だった。8分に、佐々木大樹のミドルがクロスバーを直撃すると、セカンドボールを収めた武藤が左足を振るが枠外へ。24分には、汰木のクロスの精度と武藤の冷静な判断のラストパスで決定機を作ると、大迫が勝負強さを発揮して先制点を奪う。結局、試合を通じてチームのシュートは、以上の3本のみだった。

 守備では相手の脅威にさらされ続けた。佐々木がFWの位置を取り、汰木と武藤がサイドハーフ、山口蛍と齊藤未月で2ボランチを組み、4-4-2の陣形で相手を迎え撃った。ただ、思うようにボールを奪えなかった。オウンゴールの1失点のみでしのげたのは、GKの前川黛也のビッグセーブや山川哲史とマテウス・トゥーレルらの身体を張った守備のおかげに見えた。

 個々を見れば、それぞれが持ち味を示して奮戦した。ただ、チーム全体で見れば、試合後に吉田孝行監督や選手が挙げたように、ハマらなかったプレスを修正できなかったのが難点だったか。首位キープは試合前から決まっていたが、2位の横浜F・マリノスが勝点3差まで迫ってきた。課題を克服して、さらに加速できるか。注目したい。

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

【動画】汰木クロス→武藤ラストパス→大迫が早くも今季10点目!

【PHOTO】アウェイ日立台に駆け付け選手と共に戦ったヴィッセル神戸サポーター!

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