AZ菅原由勢はプレミアで通用する? 時期尚早と指摘した英国人記者が、獲得に動くクラブが現われる可能性にも言及【現地発】

2023年05月19日 田嶋コウスケ

「成長の伸びしろも秘めている」

オランダで研鑽を積む菅原。今後のステップアップはあるか。(C)Getty Images

 欧州カンファレンスリーグ準決勝・ウェストハム戦の試合前、オランダ1部AZアルクマールに所属する日本代表DF菅原由勢は、英メディアの注目を集めていた。

 欧州カンファレンスリーグは、欧州全体のレベルアップを図る狙いで2021年に創設された新しい大会。位置づけはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ、第3のコンペティションとなる。その注目度はイングランドでも決して高くはないが、ウェストハムが準決勝まで勝ち進んだことで、英サッカーサイトの『ジ・アスレティック』がAZの特集を組んだ。

 鋭い分析に定評のある『ジ・アスレティック』は、「サイドバックの攻撃参加と、パスを丁寧に繋ぐビルドアップがAZの特長」と指摘。攻撃の一躍を担う右SBの菅原にスポットライトを当て、次のように記した。

「菅原のストロングポイントは、精度の高いクロスボールにある。ハーフスペースに滑り込み、鋭いクロスを供給する重要な役割を担っている。その結果、日本代表は1試合平均で4本のクロスを入れており、今シーズンの公式戦で11アシストを記録しているのだ」

 最近ではドイツのドルトムントが菅原の獲得に動いているとの報道もあるが、果たして英国人記者の目にはどのように映ったのか。ウェストハムとの第1戦で現地取材を行なった英紙『デーリー・テレグラフ』のサム・ディーン記者に菅原の印象を聞いた。
 
 同記者はアーセナルを中心に取材を行なっているが、三笘薫の所属するブライトンやロンドンを拠点とするクラブも精力的に追いかけている。「冨安健洋も三笘薫も素晴らしい選手」と日本人選手を高く評価するディーン記者は、オランダ国内リーグで11位タイの8アシスト(AZではチーム最多)を記録している菅原について次のように評した。

「非常に技術力の高い選手で、日本代表でプレーしている理由がよく分かった。22歳とまだ若く、成長の伸びしろも秘めている。日本国内で期待されていることにも納得だ」

 ディーン記者は「ただし」と注文をつける。「守備で物足りなさを感じた」とし、その理由を述べた。

「注目したのは、アルジェリア代表FWサイード・ベンラーマとのマッチアップだ。前半はまずまず抑えていたが、後半はベンラーマの対応に苦戦しているように見えた。プレミアリーグのサイドバックは、まず堅実な守備でサイドアタッカーを封じるのが最も重要な仕事になる。攻撃参加よりも先に、守備をきっちりこなす必要があるんだ。

 菅原はベンラーマをまずまず抑えていたし、決定的な仕事をさせたわけでもない。悲観的になるパフォーマンスでは決してなかったが、完璧に封じたとは言えなかった。ベンラーマと菅原のどちらのプレーが良かったかと聞かれたら、ベンラーマに軍配が上がるだろう」

【PHOTO】まさにスタジアムの華! ワールドクラスたちの妻、恋人、パートナーら"WAGs"を一挙紹介!

次ページ偽SBのタスクをスムーズにこなす

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事