【識者が選ぶJ歴代ベストイレブン】とにかくかっこよかった松田直樹。輝き続けるカズは存在自体がサッカーの楽しさであり喜び

2023年05月08日 平畠啓史

中澤佑二はまさにプロの鑑

平畠氏が選出した歴代ベストイレブン。MVPは、Jリーグへの貢献度は計り知れないカズだ。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグ30周年の特別企画。歴代ベストイレブンを選ぶならどんな顔触れになるか。そしてMVPは? 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏にセレクトしてもらった。

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 選択肢が多すぎて、悩みだしたらきりがないベストイレブン。たぶん、明日になったら変わっていると思う。

 GKは楢﨑正剛。J1、631試合出場。長年、Jリーグのピッチに立ち続け、ベストイレブン6回、そしてゴールキーパーでは唯一MVPも獲得。安定感抜群かつビッグセーブでチームを救った。

 川口能活とのライバル関係は良い意味で緊張感があり、見ている側もドキドキ。凄い選手にもかかわらず、選手からはいじられるようなパーソナリティも個人的には好きなポイント。Jリーグのレジェンドの一人で、語り継がれてほしい選手である。
 
 ディフェンスは中澤佑二、田中マルクス闘莉王、松田直樹。フィールドプレーヤーとしてはトップの178試合連続フルタイム出場の記録を持つ中澤佑二。出場停止や怪我の可能性が高いディフェンダーながら、試合に出続けるのは並大抵のことではなく、まさにプロの鑑。守備での対応力やセットプレーでの迫力は他の追随を許さなかった。

 闘うことを体現し続けた田中マルクス闘莉王。対人の強さはもちろん攻撃力も魅力。競り合いながらの胸トラップは見事で、ディフェンダー登録の選手ながらJ通算100ゴール以上というのは素晴らしい記録である。

 数字やパフォーマンス以上にプロとして観客の心をつかみ続けた松田直樹。足もとの技術や守備力はもちろん、闘うことの素晴らしさとサッカーの面白さをプレーで表現できる稀有なディフェンダーだった。立ち居振る舞いや言動、プレーの一つひとつがとにかくかっこよかった。

 中盤は右からドラガン・ストイコビッチ、小笠原満男、遠藤保仁、中村俊輔。トップレベルのプレーをJのピッチで披露してくれたストイコビッチ。プレーに華があり、サッカーの楽しさや可能性を感じさせてくれた。スタジアムの全員が逆を取られるような切り返し。雨中のリフティング。革靴でのシュート。Jの歴史を語るうえで欠かせない選手である。

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