【U-18プレミアリーグ参入戦】育成の老舗クラブ・横浜FMユースがついに最高峰の舞台へ

2015年12月14日 安藤隆人

夏の日本クラブユース選手権をきっかけに強い一体感が生まれる。

横浜ユースが5年前のプレミアリーグ発足以来、初のEAST参入の権利を手にした。写真:安藤隆人

 Jユースの老舗クラブのひとつである横浜FMユース。名門がどうしても届かなかった高円宮杯プレミアリーグに、ついに到達することができた。
 
 プレミアリーグが発足する以前には、高円宮杯全日本ユースで優勝するなど、結果を出していたが、5年前にプレミアリーグが発足をすると、チームはプリンスリーグ関東の壁を打ち破れなかった。
 
 プリンスリーグ関東はプレミアリーグに匹敵するほどレベルが高く、横浜FMユースはこの難関をなかなか突破できずにいた。しかし、今年は3年生がわずか8人というなかで、トップ昇格が決まったFW和田昌士、遠藤渓太ら3年生がチームを牽引すると、スタメンに名を連ねる7人の1、2年生が急成長を遂げ、チームは例年にないほど一体感を持っていた。
 
 チームに強い一体感が生まれたのは、今年の日本クラブユース選手権がきっかけだった。大黒柱の和田が怪我で不在のなかでも、チームは試合を重ねるごとに成長を続け、準決勝、決勝では復帰した和田を中心に攻撃的なサッカーを展開。仙台ユースを2-0で退けると、決勝では大宮ユースを5−3で破り、優勝を果たした。
 
 この大会を通じて驚異的な伸びを見せたのが、遠藤だった。抜群のスプリント力と、ドリブルのキレ、シュート精度を見せつけ、大会得点王に輝くなど、一気にブレイク。トップ昇格を自らの手で掴み取ってみせた。
 
 遠藤以外にも、ボランチの小松駿太、FW中杉雄貴という3年生が存在感を放ち、苦しい状況でも積極的に声を出したり、運動量を落とさずハードワークを続けたことで、自信と自覚が芽生えたのだった。
 
 さらに千田奎斗と原田岳というふたりの2年生GKの後塵を拝していた3年生GKの上田朝都が安定したプレーを見せて、優勝の原動力のひとりとなった。
 
 逞しさを増していく3年生に対し、2年生も奮起を見せ、板倉洸と有馬弦希のCBコンビは大会を通じて粘り強い守備を見せ、その後は守備の中心として不動のコンビを組むことに。さらに右MFの1年生・堀研太も持ち前の突破力で存在感を放つようになった。
 

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