「憎いぐらい」独特の愛情表現でマイベストプレーヤーに選んだのは? 石川直宏のJリーグ歴代最強イレブン

2023年05月01日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「闘莉王や(中澤)佑二さんに絶対いじられる」のが…

石川氏が選出した歴代最強イレブン。(C)SOCCER DIGEST(サッカーダイジェストWeb)

 元日本代表FWで現在はFC東京でクラブコミュニケーターを務める石川直宏氏がJリーグ30周年記念企画として公式YouTubeチャンネル『サッカーダイジェストTV』で歴代最強イレブンを選出。興味深いエピソードを紹介しながら、独自視点で11人をピックアップしてくれた。
【画像】錚々たるレジェンドたちが選出! Jリーグ歴代最強イレブン
 選考基準は「対峙して嫌だった選手、あとは長く一緒にやったチームメイトとか」で、とにかく「チームとしてのまとまりの意識した」。

 GKは柏やFC東京などで活躍した土肥洋一。石川氏曰く「練習でシュートを打っても入らない。彼ほど嫌なキーパーはいなかった」。

 「パッと決まった」3バックは、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、茂庭照幸という面子に。「1対1に強い」中澤は「最終的にゴールへ向かわせない守備をしてくるのも嫌」、闘莉王は「言葉にできない威圧感。加えて、キックの精度」、茂庭は「ガツンとなった時のフィジカルコンタクトが歴代最強」というのが石川氏の評価だった。

 ちなみに、茂庭は「(石川氏のことを)一方的にライバル視していた」。アテネ五輪のメンバー発表の際も報道で「石川と茂庭」という並びになると、茂庭は「また"と"かよ。俺は付け足されているだけかよ」と愚痴をこぼしていたという。

 2ボランチは、「ゲームを落ち着かせることができる」遠藤保仁と「いろんなところに動けて、ヤットさん(遠藤)と関係性が抜群の」今野泰幸だ。今野は「闘莉王や(中澤)佑二さんに絶対いじられる」ので、チームがまとまるうえでも不可欠な戦力と、石川氏は笑いを交えてそう話していた。
 
 トップ下は中村俊輔。「テクニックはもちろん、経験、セットプレー、その全てにおいて文句なし」と石川氏は絶賛した。 ウイングバックは右が加地亮で、左は服部公太である。加地は「運動量が豊富で献身的」、服部は「駆け引き上手で、しかもタフ」で、ともに味方をサポートできる点は"まとまり"を考えるうえで重要なファクターになった。

 2トップの一角は「ひと言で凄かった」エメルソン。そのスピードは「僕なんか比べものにならないレベル」(石川氏)で、ずば抜けていた。切り返しのタイミングは絶妙で、ドリブルだけでなくシュートも上手い。まさに異次元のストライカーだった。

 ラストピースはサッカー選手として一流で「人格者でもある」ルーカス。ブラジル人でありながら日本人の心を持っていて、チームメイト、クラブスタッフ、ファン・サポーターの「誰からも愛されていた」点も、石川氏は印象深かったという。

 そしてマイベストプレーヤーは中村俊輔。天才と言われるが、誰よりも努力していて、誰よりもサッカーが好きで、「憎いぐらい」と石川は独特の愛情表現で"偉大なる先輩"を称えていた。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

【動画】石川直宏が選ぶJ歴代最強イレブン

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