「リーグ戦で勝ち取りたい」フランクフルトは来季も欧州カップ戦に出場できるか。長谷部誠が語った課題「勝ち切る部分が欠けている」【現地発】

2023年04月22日 中野吉之伴

鎌田は「やるべきことをはっきり」

カップ戦制覇ではなく、リーグ戦で欧州カップ戦の切符を掴みたいと語った長谷部。(C)Getty Images

 フランクフルトはこの2シーズンの間、ほぼずっとヨーロッパカップ戦の主要クラブだった。昨シーズンはヨーロッパリーグで頂点までたどり着き、クラブ史上初挑戦となった今季のチャンピオンズリーグ(CL)では見事にグループリーグを突破し、決勝トーナメント進出を決めた。

 ピッチ上では選手が躍動し、どのスタジアムでもファンが熱烈な応援でチームを支える。アウェー戦でも1万人を超すファンが殺到し、ホームの雰囲気さえ作り出してしまう。決勝トーナメント1回戦ではイタリアの強豪ナポリという壁を乗り越えることはできなかったが、フランクフルトは大きな拍手とともに欧州の舞台から去ることになった。

 そんなフランクフルトを来季もぜひヨーロッパで見たいものだが、リーグでは現在7試合連続勝ちなしと苦しんでいる。ここにきて好調のレバークーゼンやマインツが猛追しており、順位を7位へと下げているのが現状だ。勝てない時期が続くとメンタル的にも苦しくなる。やるべきプレーがブレてしまい、個々でもチームとしてもパフォーマンスが下がってしまう。

 ただ、このままフランクフルトが失墜してしまうのかというとそこまで悲観的な状況ではないのだ。一時期シュートチャンスを思うように作れずにいた試合もいくつかあったが、そのあたりはだいぶ改善されてきている。

 第25節のウニオン・ベルリン戦後に鎌田大地は次のように話していた。

「ここ最近のうちはうまく自分たちのような崩しができてなかったけど、今日はうちがやりたいことはできていたと思うし、ここ数試合に比べてチャンスはすごくあった。悪くなかったと思います」

【動画】レバークーゼン戦でゴールを演出した鎌田の圧巻スルーパス
 CLに敗退したことでトレーニングできる機会が増えたのは、チームとしての方向性を整理する上で大きな意味を持つ。CLとの過密日程だとコンディション調整が優先されるために、問題を改善するほどの取り組みはあきらめざるをえない。そこに取り組めることの大切さを鎌田も指摘していた。

「CLがなくなったんで、1週間の流れが変わってくる。ある程度相手に対してやっていくこともできると思うし、連戦の疲れもなくなるだろうし。よりチームとしてやるべきことははっきりさせていかないとダメかなと思います」

 そうした取り組みの効果もあり、攻守に狙い通りのプレーができるようになっているのはポジティブな点。ただ、軽率なミスで失点したり、決定機でゴールを奪いきれないところがまだ解消できていない。

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