【ヨーロッパリーグ】連敗のドルトムント……スタメン出場の香川も精彩を欠く――ドルトムント 0-1 PAOK

2015年12月11日 遠藤孝輔

19本のシュートを放ちながら、敗退決定済みの相手を崩せず。

香川はパク・チュホのセンタリングからヘディングシュートを放つ得点機があったが決まらず……。先週末のような決定的な仕事を果たすことはできなかった。 (C) Getty Images

 12月10日のヨーロッパリーグ(EL)のグループステージ(GS)最終節、ドルトムントがPAOK(ギリシャ)を本拠地に迎えた一戦は、大方の予想を覆して、アウェーチームが1-0の勝利を収めた。
 
 すでにGS突破が決まっているドルトムントは、オーバメヤン、ムヒタリアン、ヴァイグル、パパスタソプーロスら複数の主力を先発から外し、ヤヌザイやスボティッチ、ラモスら、出番に恵まれていない選手をスタメンとして送り出した。
 
 いわば飛車、角を欠いた状態のドルトムントは、ボールを圧倒的に支配しながらも、なかなかゴールチャンスを作れない。
 
 5-3-2の守備的布陣を採用し、11人全員が自陣に引くPAOKのディフェンスを崩そうとしても、普段のような連動性ある仕掛けを見せられず、もどかしい展開が続く。
 
 前半に作り出した決定機らしい決定機はひとつ。23分、香川のパスに抜け出したロイスがゴール前にラストパスを送ったが、ギンターのシュートは大きく枠を外れた。
 
 その10分後、粘り強く守って"一発"を狙っていたPAOKが先制点を挙げる。フンメルスがオフサイドトラップに失敗した隙(左SBのパク・チュホがラインを上げられなかった)を見逃さず、シャープな飛び出しを何度か見せていたマクがGKをかわして、冷静にボールをゴールマウスに流し込んだ。
 
 追いつきたいドルトムントは、後半頭からムヒタリアンとヴァイグルを投入。47分にはその交代選手が絡み、決定機が生まれる。
 
 ヴァイグルのパスを起点に、トップチーム初先発のシュテンツェルを経由して、ヤヌザイがゴール前に鋭い縦パスを供給。これに反応したムヒタリアンが至近距離からシュートを放つも、相手GKグリコスの好セーブに阻まれた。
 
 虎の子の1点を守り切ろうとするPAOKに対し、ドルトムントは手を替え品を替えて、同点ゴールを目指す。
 
 66分には香川に代わり、オーバメヤンがピッチへ。このエースにビッグチャンスが到来したのは76分だった。しかし、ムヒタリアンのクロスに頭で合わせた一撃は、無情にもゴールポストを叩いた。
 
 普段とは大幅にメンバーが異なり、モチベーション的にも難しい試合だったとはいえ、19本のシュートを放ちながら、ドルトムントはPAOKの牙城を崩せなかった。
 
 直近のリーグ戦でゴールを奪っていた香川、前半で退いたロイス、アピールしなければならなかったヤヌザイら攻撃陣が軒並み精彩を欠き、試合前の時点で敗退が決まっていた敵の軍門に降った。
 
文:遠藤孝輔
 
◎EL・グループC最終順位
1位 クラスノダール 勝点13
2位 ドルトムント 勝点10
3位 PAOK 勝点7
4位 ガバラ 勝点2

◎ELグループステージ突破チーム(グループ順位)
モルデ(A1)
フェネルバフチェ(A2)
リバプール(B1)
シオン(B2)
クラスノダール(C1)
ドルトムント(C2)
ナポリ(D1)
ミッティラン(D2)
ラピド・ウィーン(E1)
ビジャレアル(E2)
ブラガ(F1)
マルセイユ(F2)
ラツィオ(G1)
サンテティエンヌ(G2)
ロコモティフ・モスクワ(H1)
スポルティング(H2)
バーゼル(I1)
フィオレンティーナ(I2)
トッテナム(J1)
アンデルレヒト(J2)
シャルケ(K1)
スパルタ・プラハ(K2)
アスレティック・ビルバオ(L1)
アウクスブルク(L2)
 
◎チャンピオンズ・リーグからの編入8チーム
シャフタール・ドネツク
マンチェスター・ユナイテッド
ガラタサライ
セビージャ
レバークーゼン
オリンピアコス
ポルト
バレンシア
 
※ラウンド32の組み合わせ抽選会は、現地時間12月14日、スイス・ニヨンで行なわれる予定
 
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