ラストサバイバルで西谷亮が奮闘! U-20W杯出場へ決死の覚悟。ヴェルディ育ちの技巧派MFは最後まで結果を求めて走り続ける

2023年04月18日 松尾祐希

3-4-2-1のボランチで存在感

関東大学選抜戦で好プレーを見せた西谷。写真:梅月智史

 正確な技術と相手の虚をつくパス。テンポ良くボールを回した前半、東京ヴェルディユース育ちのプレーメーカーがパスワークの中心にいた。

 4月18日、U-20日本代表候補は関東大学選抜と対戦。2日間のショートキャンプを締め括るトレーニングマッチは、FW千葉寛汰(徳島)の2得点とFW河野孝汰(山口)のゴールで、U-20代表が3-0で勝利した。

 5月20日に開幕するU-20ワールドカップまで残り1か月を切った。最後の選考合宿での一戦は、選手たちにとってラストサバイバル。試合が始まる8時間前にアルゼンチン(インドネシアで開催予定だったが、3月29日に開催権剥奪)が新たな開催地として正式に決定しており、選手たちのモチベーションは今まで以上に昂っていた。

 そうしたなかで、中盤で存在感を示していたのが、MF西谷亮(東京V)だ。

 10番を託された司令塔は3-4-2-1のシステムでボランチを任されると、ヴェルディ仕込みの技術を如何なく発揮。的確な位置にポジションを取り、ボールを捌いて攻撃を活性化させていく。

 もちろん無難にプレーするだけでなく、ここぞという局面では鋭いパスを入れて決定的な場面を演出した。38分には正確なクロスをCBヴァンイヤーデン・ショーン(横浜FC)に届け、河野のゴールをお膳立て。前半の出来は目を見張るものがあった。
 
 ハーフタイム後に相手がメンバーを総入れ替え。U-20代表はフレッシュな選手たちに苦戦し、主導権を握られる展開となった。西谷は前半ほどボールを受けるシーンはなかったが、強度の高いプレーでチームを引き締める。68分に退いたが、らしさを発揮してメンバー入りをアピールした。

 試合後、西谷は自身の出来をこう振り返る。

「インテンシティはすごくクラブでも求められている。強度は去年からずっと積み上げてきたもの。それを発揮できた。ただ、まだ足りていない部分もありましたね」

 課題を口にしつつも、手応えを明かした西谷。また、クラブで与えられているタスクよりも代表では自由度が高く、そうしたシチュエーションで自身の強みをより出せたのだろう。西谷は言う。

「ボールを保持して、前進していく。そして、隙があれば、背後にボールを蹴る。そういうサッカーは自分にとってやりやすいし、良さも出せる」

 4月上旬のショートキャンプには、直前の怪我で参加ができなかった。今回に懸ける意気込みは並々ならぬものがあっただけに、最後の活動でアピールできた価値は計り知れない。
 

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