【移籍専門記者コラム】イカルディが1月にアトレティコ・マドリーへ? 鍵を握るのはワンダ・ナラ夫人だ!

2015年12月10日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

夫人はいまやイカルディに関するすべてを取り仕切る。

昨シーズンはセリエA得点王に輝いたイカルディだが、今シーズンはここまで4ゴールと低調で、先のジェノア戦ではベンチを温めた。この状況を見たアトレティコが再び獲得に向けて動いている。(C)Getty Images

 マウロ・イカルディが1試合スタメンから外れるだけで、TVカメラは仏頂面でベンチに座るその姿をクローズアップし、トークショーの議論の的にする。
 
 12月5日にジェノアをいつものウノ・ゼロ(1-0)で下したインテルは、セリエAの単独首位に立っているが、マウリート(イカルディの愛称)だけはハッピーな気持ちになれないようだ。
 
 というより、「ロベルト・マンチーニ監督が彼についてハッピーな気持ちではない」と言った方がいいかもしれない。それを見て、イカルディを狙っているクラブが再び動き出した。
 
 つい数時間前のことだ。私の携帯電話に国際的に名の知られた仲介人からメッセージが届いた。
 
「ワンダ・ナラの電話番号を教えてくれないか?」
 
 モデル出身のセクシーなブロンド美人を誘惑するためでは、もちろんない。彼女の夫、つまりインテルでいま最も悲しい気分のストライカーにアプローチするための方便だ。
 
 それにしても、なぜワンダ・ナラなのか? 実は、マキシ・ロペス(トリノ)の元夫でもある彼女は現在、イカルディのハートを操縦するだけでなく、実質的なマネジャーも務めているのだ。
 
 インテルとの契約延長交渉がこじれかけていた今夏にも、彼女から私宛にこんなメッセージが届いたのを覚えている。
 
「私が話をするわ。私が彼の代理人だから」
 
 実際、彼女は以前の代理人やエージェントとすべて縁を切り、イカルディに関するすべてのビジネスを自ら仕切っている。
 
 この連絡を受けた後、私は情報収集に動いた。分かったのは、イカルディに最も強い興味を持っているのはアトレティコ・マドリーということ。指揮官のディエゴ・シメオネはイカルディに惚れ込んでおり、ユベントスに去ったマリオ・マンジュキッチの後釜に欲しがっていたのだ。しかし、この時はインテルが取り合おうとせず、話は進展しなかった。
 
 そして、アトレティコはいま再びイカルディ獲得に向けて動こうとしている。どのくらい本気なのか、これから明らかになるだろう。インテルはユベントスが欲しがっているフレディ・グアリンを含めて、1月に現有戦力の放出はないと明言しているが、はたして……。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。父は70~90年代にナポリ、ジェノア、レッチェなどで監督を歴任し、現在はTVコメンテーターのジャンニ・ディ・マルツィオ。選手としては才能に恵まれず、ジャーナリストを志し、パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタート。2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。父を通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
 
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