狙うは前人未到の“ダブル得点王”。筑波大1年生FW内野航太郎の確信と固い決意「なりたい、いや、なります」

2023年04月11日 安藤隆人

トップチームの練習参加で将来を考える

筑波大で1年生ながら早くも存在感を示す内野。抜群の得点感覚を持ち、裏への抜け出しに優れるストライカーだ。写真:安藤隆人

 昨年度のプレミアリーグEAST得点王が早くも大学デビュー弾を放った。

 関東大学リーグ1部・筑波大対日本大の一戦で、筑波大の1年生FW内野航太郎は0-0で迎えた29分に、FW山崎太新の左サイドからのクロスに飛び込んで、大学初ゴールとなる先制弾を叩き込んだ。

 さらに1-1で迎えた72分には、途中投入のFW半代将都のシュートのこぼれに反応をして2点目を挙げる。後半アディショナルタイム1分に同じ1年生FW小林俊瑛との交代を告げられてピッチを去ると、その2分後に同点弾を浴びる。自身のゴールが決勝点とはならなかったが、開幕戦に次ぐ2試合連続スタメンの期待に応える活躍を見せた。

「前節は点を取れなかったのに、今節もスタメンで使っていただいて、小井土(正亮監督)さんと平山(相太ヘッドコーチ)さんの期待を感じていたのでなんとか結果を残したかった」

 試合後、内野はこう語ったように、1年生ながらストライカーとしてのプライドと覚悟を持ってこの試合に臨んでいた。
 
 身長186センチの高さと、裏への抜け出しのタイミングとスピード、そしてクロスに合わせる能力とシュートの上手さに長けた選手だ。冒頭で触れた通り、横浜F・マリノスユースのエースストライカーとして昨年度のプレミアEASTにおいて、歴代最多得点記録となる21ゴールという圧倒的な数字を叩き出して単独得点王に輝いた。

 高校2年生の時も得点ランキング2位の13ゴールと、ズバ抜けた得点感覚を持ったストライカーとして周囲の期待は大きかったゆえに、トップ昇格のチャンスも十分にあった。

 しかし、彼の中でトップチームに練習参加した時に、自分の将来について真剣に考えるようになった。

「背後の抜け出しやゴール前での得点感覚はプロでも通用すると思うのですが、逆に足もとでボールを受けたり、落ちてボールを受けたりして、そこからアイデアを出すという部分では圧倒的にプロ選手と比べて足りないと感じました。マリノスのトップチームは強度がものすごく強いなかで、それをやれないと生き残っていけない。即戦力でマリノスに戻れるようにならないといけないと思いました」
 

次ページ筑波大なら長所を磨き、短所も補える

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事