32歳でタイに渡った丸橋祐介。現状に危機感を募らせ「爪痕を残したい」と意気込み。セレッソ復帰の可能性は?

2023年04月10日 元川悦子

BGからのオファーは「素直に嬉しかった」

タイのBGパトゥム・ユナイテッドFCで奮闘を続ける丸橋。初の海外で貴重な経験を積んでいる。(C)BG Pathum United F.C.

 青山敏弘(広島)、城後寿(福岡)など、今のJリーグでは希少価値となった「ワンクラブマン」。U-15からセレッソ大阪入りし、プロ14年間のキャリアを過ごしてきた丸橋祐介も、その1人と位置づけられてきた。

 同じアカデミー出身の山口蛍(神戸)や杉本健勇(横浜)、柿谷曜一朗(徳島)ら同世代の面々が次々と他クラブへ移籍するなか、彼は最後の砦としてセレッソで戦い続けてきた。

 まさに生え抜き中の生え抜き。その左SBが32歳にしてタイ・プレミアリーグのBGパトゥム・ユナイテッドFCへ赴くというのは、大きなサプライズに他ならなかった。

「昨季、怪我をしてしまい、半年間プレーできず、本当に悔しい思いをしたんです。そんなシーズン終了直後にBGからオファーをいただいて、素直に嬉しかった。怪我で試合に全然絡めなかった僕を『欲しい』と言ってくれること自体が有難かったし、年齢的にも外の景色を見られるラストチャンスかなとも感じた。それで『チャレンジしてみよう』という気持ちになりましたね」と本人は言う。

 決断にあたっては、柿谷や清武弘嗣(C大阪)ら移籍経験のある仲間たちに意見を聞いたという。
 
「曜一朗君には奥さん以外で最初に相談しましたし、キヨだったり何人かにも話しました。彼らは『いいんじゃない。外に出たほうがいいよ』と。『外の景色を見ることは今後のサッカー人生にとってプラスになる』と背中を押してくれました。

 蛍や曜一朗君たちが外に出ていくのを見て、僕は彼らが選んだ道を尊重していました。ただ、自分はセレッソから離れたいと思ったことは一度もなかった。それだけセレッソが好きだし、タイトルを取りたいと本気で思っていましたからね」

 そんな丸橋が初めて海外移籍を真剣に模索するというのは、人生を賭けた一大決心だったに違いない。

「BGで過去に在籍した茂庭(照幸=FC刈谷)、池田樹雷人(町田)両選手に連絡して環境面なども確認したら、『すごく良いチームだよ』と言われ、自分の中のハードルが下がりました。コロナも落ち着いてタイミング的にも良かった。1月頭にはいち早く現地に飛んでいました」と早業だったことを明かす。

「僕がここに来た時点でBGは5位。上にはブリーラム・ユナイテッドFCやバンコク・ユナイテッドFCという強豪がいましたが、できるだけ順位を上げたいというのがクラブ側の目標。僕は助っ人外国人としてチームをリードしなければならない立場でした。英語と日本語を両方話せる通訳や、日本人の分析スタッフもいて、言葉の面で障害はなく、スムーズに適応できたんですが、結果のほうがなかなか出ない。そこには正直、苦労しましたね」

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