【選手権代表校】中京大中京(愛知)|岡山哲也監督が5年掛かりで築き上げた「理想のスタイルで過去最高の8強越えを狙う

2015年12月08日 安藤隆人

怒られ役のキャプテンを中心に多彩な個性が集結。

中京大中京(愛知)
所在地:愛知県名古屋市昭和区川名山町122
創立:1923年 創部:1954年
選手権最高成績:ベスト8(2011年度)
主なOB:伊藤翔(横浜)、宮市亮(ザンクト・パウリ/ドイツ)、大岩一貴(千葉)、宮市剛(水戸)
写真:安藤隆人

「戦える選手が揃っていると思う」
 
 就任5年目を迎える岡山哲也監督がこう語るように、今年のチームは精神的に逞しい選手が屋台骨を支えている。そのなかで精神的支柱となっているのが、キャプテンのMF石川将暉だ。岡山監督から常に厳しい言葉を投げかけられ、怒られ役でもある彼は、屈強なフィジカルと馬力あるドリブルが武器で、試合終了まで周りを鼓舞する声を出し続ける姿が印象的だ。
 
「キャプテンである以上、仲間の想いを汲んで、自分が積極的に声を出して、チームを盛り上げていくという責任感はあります」
 
 彼をサポートする体勢も整っている。トップ下に入る石川の前には、屈強なフィジカルと高さを誇るFW柳完治がおり、彼が献身的なプレーを見せて前線で起点を作るだけでなく、気迫溢れるプレーでチームを活性化する。
 
 そして石川の後方には、怪我から復帰したボランチ・今枝晃祐と、CBの重松勇樹がいる。今枝の持ち味は高い献身性を活かして、広範囲をカバーできる守備力にある。
 
「僕は決して上手い選手ではありません。だからこそ、チームの穴を僕がしっかりと埋めないといけないんです。チームのために自分が犠牲となって、守備を頑張れば、能力の高い攻撃陣がゴールまで持っていってくれる。彼らをより攻撃に集中させるために僕が頑張らないといけないんです」(今枝)
 
 この言葉通り、今枝の素早い読みからのインターセプトが、相手のピンチの芽を摘み続け、ボランチコンビを組む辻星哉、石川、柳、左のテクニシャン・加藤弘也、決定力の高い右MFの福山大貴の攻撃力を引き出している。
 
 重松は守備力に長けたディフェンスリーダーで、クレバーな頭脳と対人の強さで、最終ラインをコントロール。今枝との連係もよく、的確なコーチングと抜群の統率力で、強固な守備陣を形成している。
 

次ページ岡山監督が5年掛かりで浸透させたスタイル。

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