「ソシエダはクボフットボールクラブ」久保建英が不調に喘ぐチームの光明に…番記者は途中交代に苦言「不可解だった」【現地発】

2023年04月06日 ミケル・レカルデ

好不調次第で、選手たちの態度が豹変する

ソシエダの攻撃を牽引している久保。(C)Getty Images

 相変わらずレアル・ソシエダの低空飛行が続いている。公式戦のここ12試合でわずか2勝。そのうち8試合でノーゴールに終わっているように、とりわけ得点力の低下が顕著で、チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を争う直接のライバル対決となったラ・リーガ第27節のビジャレアル戦も0-2の完封負けを喫した。

 ここ数試合に比べれば、試合内容が悪かったわけではない。チャンスもあったが、またしても最終局面で精度を欠いた。

 負けが込めば、チームの雰囲気が重苦しくなる。それは避けられないことだし、最近のソシエダも気持ちの部分でナーバスになっているところは随所に見られる。ただ番記者として納得がいかないのは、好不調次第で、選手たちの態度が豹変することだ。上昇気流に乗っている間も、感謝の言葉を口にするわけではないが、歯車が狂って結果が伴わなくなると、露骨に嫌な顔をして、素っ気ない態度に終始する。

 そんな中で、例外的な選手がタケ・クボ(久保建英)だ。加入当初は、プライベートの話をしたがらないガードの固い選手とクラブから釘を刺されていたが、今やファンはもちろん、メディアの人気者でもある。もちろんその人気の根底には、ピッチ上での素晴らしいパフォーマンスがある。
 
 インターナショナルブレイク明けも(しかも日本に帰国後、新型コロナウイルスの陰性が確認できなかったため、数日間、ホテルで隔離生活を強いられた)、攻撃の中心選手として君臨し続けているが、とりわけ特筆に値するのが、環境に左右されずに、好調を維持している点だ。諦め知らずのスピリットの持ち主で、ここ数試合、サポートに恵まれているとは言えない状況でも、独力でこじ開けようと相手ディフェンス陣に挑み続けている。

 1試合平均5回前後のチャンスに絡むことができているのは、パフォーマンスが安定している証であり、周りの選手も前半戦の好調をキープしていれば、さらに貢献度が高まっていても不思議ではない。

【動画】「すげぇ」「まじで上手い」とスペイン代表DFを翻弄した久保の鬼キープ

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