「自分も怖い」ヴィアッリ、ミハイロビッチが逝去…元イタリア代表MFが示した懸念「現役時代に摂取していたものを疑う必要がある」

2023年04月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「その成分は今も僕たちの身体に残っているかもしれない」

相次ぐ元選手の死去に警鐘を鳴らしたD・バッジョ。(C)Getty Images

 少し前の話になるが、元イタリア代表MFディノ・バッジョの発言が、イタリアを騒然とさせた。

 イタリアの地方局TV7の番組に出演した際、すい臓がんで亡くなったジャンルカ・ヴィアッリに言及。「時間をさかのぼって、僕らが現役時代に摂取していたものを疑う必要がある」と語ったのだ。

 それはいわゆる禁止薬物ではない。D・バッジョやヴィアッリが選手だった1990年代にかけては常にドーピング検査もしっかりしており、その可能性はなかった。彼が問題視しているのは疲労回復のためとして渡されていたサプリや点滴だ。

「試合後には必ず数種類の薬物を摂っていた。多くの試合をこなすには、必要不可欠なものとされていた。別に変なものではない。ただその成分は今も僕たちの身体に残っているかもしれない。すぐには身体に悪くなくとも、じわじわと体内から健康を犯していく可能性はないとは言えないと思う」

【画像】古巣チェルシーがヴィアッリに追悼のメッセージ
 慌てる司会者を尻目にバッジョは続けた。

「まだ若くして亡くなる元選手があまりにも多すぎる。なにか原因があるかもしれない」

D・バッジョは「自分も怖い」とコメントし、このニュースは瞬くうちにイタリア中に広まった。

この翌日、ガゼッタ・デロ・スポルトのインタビューでは、自分の発言サッカー界を騒がしたことを謝罪しながらもこう説明した。

「あの発言は友人であり、共にサッカーをしたヴィアッリや、ミハイロビッチが次々に亡くなったことにショックを受け、僕なりに考えたことだった。たくさん、あまりにもたくさん、若くして亡くなってしまった仲間がいる。だから当時与えられていたサプリの成分の調査が必要だと感じたんだ。もしかしたら、何もないのかもしれないし、何かが発見されるかもしれない……」

とにかく当時のサプリを長期的、日常的に摂取したらどうなるかを、サッカー協会やチームは真摯に調べてほしい。それを考えての発言だったと彼は言う。ちなみに、それらは今でも普通に薬局で売られているものだそうだ。

 

次ページD・バッジョがもう一つ調べてもらいたいと主張しているのが…

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