【選手権代表校レポート】京都橘|狙うは4年連続の8強越えと初優勝。主軸と新メンバーの融合が進化の鍵に

2015年12月04日 松尾祐希

U-18代表のエース・岩崎が頻繁に離脱し、夏までは連係面を構築できず。

京都橘(京都)
所在地:京都府京都市桃山町伊賀50
創立:1902年 創部:2001年
選手権最高成績:準優勝(2012年度)
主なOB:小屋松知哉(名古屋)、永井建成(熊本)

 今年の京都橘は例年以上に3年生が少ないメンバー構成である。昨年からのレギュラーは主将のDF小川礼太のほか、U-18日本代表のFW岩崎悠人と勝負勘に優れたGK矢田貝壮貴の2年生コンビのみ。他の8人は今年に入って公式戦のピッチに立ち始めた面々ということで、メンバーの経験不足は否めなかった。
 
 夏のインターハイ予選では勝負どころで粘り強さを発揮できず準決勝で敗退。選手権予選を前に米澤一成監督は「3年生が今年は少ないので、1、2年生が悪い意味で遠慮しているのかなと感じる」と不安を口にしていた。
 
 また、エースの岩崎が代表遠征参加のためチームを離れる時間が多く、思うように連係面を成熟させられなかったのも大きい。プレミアリーグWEST15節・東福岡戦は、その課題が浮き彫りとなる試合展開だったと言える。
 
「岩崎に良い形でもう少し入れば良かったのかなと思います。それは毎回の課題。チームでそれを熟成させる時間がなかった。結局オフェンスのところの生かし方として、岩崎に入っても他の選手が出ていけない。でも、岩崎がいない時に勝ったりもしている。今日見たいに岩崎がいると、みんなボールを預けて見てしまっている」
 こう指揮官が嘆いたように、岩崎とのコンビネーションに課題を残す結果となった。
 
 不安を抱えたなかでの選手権予選だったが、攻撃陣に2年生のFW堤原翼や1年生のFW梅津凌岳、MF輪木豪太という選手たちが台頭。3年生のFW坂東諒なども一皮むけ、攻撃に厚みが増すようになった。
 
 一方の守備陣も小川に加え、3年生のDF田中悠太郎が守備の柱として一本立ち。1年生のDF河合航希なども経験値を上げ、チーム力の底上げが図られた。
 
 すると、代表帰りの岩崎にも変化が見られる。
「代表で責任を感じてプレーすることを学びましたし、特に今年のチームは2年生が多いので、去年から出ている自分とかが引っ張っていかないといけないなと感じている」
こう本人が話すように、エースの重責を担うきっかけを代表で掴んでチームに帰還した。
 
 主将の小川も岩崎の成長に太鼓判を押す。
「1年の時から自分のことを考えていることが多かったのですが、学年が上がって代表に行くようになっていって、チーム全体のことを考えられるようになったのかなと思います」
 

次ページプレミアでの経験、予選の勝ち上がりを通じて勝負強さを備える。

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