「今は注目が勝っている」三笘薫は真のエースになれるか?“高値安定状態”への大きな期待感「もっと強くなって追いつきたい」と意気込み

2023年03月28日 元川悦子

コロンビア戦の勝敗を左右するポイント

コロンビア戦も先発が予想される三笘。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「コロンビアは世界的にも非常に力のあるチーム。FIFAランクも17位、世界トップグループに入る力を持っている。何度か対戦したこともあるし、我々が分析するなかでも局面のところで激しく厳しく、守備では強さを発揮しながら素早いカウンター攻撃を仕掛けてきて、中盤でもボールを動かせる。まずは奪い合いのところからしっかり戦って、そこで保持率を上げていくことが大切。鋭いカウンターは気をつけないといけないと思います」

 森保一監督がこう分析した通り、3月28日に日本代表が対峙するコロンビアはまさに難敵。ラダメル・ファルカオ(ラージョ・バジェカーノ)ら百戦錬磨の選手もいて、若手中心だったウルグアイよりレベルは高そうだ。

 4-2-3-1の採用とSBが中に絞る形のビルドアップの継続を公言した指揮官だが、それ以上に改善が必要なのが、24のウルグアイ戦(1-1)でシュート4本に終わった攻撃だ。

 最前線で先発した浅野拓磨(ボーフム)が3本、得点した途中出場の西村拓真(横浜)が1本で、日本自慢の2列目アタッカー陣は揃ってゼロに終わった。

 とりわけ、注目度ナンバーワンの三笘薫(ブライトン)がフィニッシュに絡まない状況というのは、相手にとっても脅威にならないし、見る者も物足りない。今回こそは彼がゴール前に侵入していく形を数多く作ることが肝要だ。
 
「薫はこの数年間、日本代表の一番の武器になると思う。ただ、どれだけドリブル力がすごくても毎回の1対2の状況で勝てるわけじゃないし、プレミアリーグでのプレーを見ていても分かる通り、周りがどれだけ彼に上手く仕掛けられる状況を作っていくかが大事。

 右サイドを崩して上手くサイドチェンジして、彼がスピード乗った状態で1対1を勝負できるような形を作れれば、チームとしては凄い武器になる」と鎌田大地(フランクフルト)が言えば、縦関係を形成した伊藤洋輝(シュツットガルト)も「相手が薫君のドリブルを警戒してくるなかで、もっと良い状況でボールを渡せるかはチームとしての課題になる」と神妙な面持ちで言う。

 そういった形をどれだけ数多く作れるのか。そこがコロンビア戦の勝敗を左右するポイントになると言っても過言ではないだろう。

 決定的な仕事を託される三笘自身も、中3日で迎える代表戦で高いインテンシティをキープし、ドリブル突破力や推進力を示さなければならない。イングランドでハードスケジュールをこなしている選手が代表に戻ってきても「高値安定状態」を示すのは難易度が高い。ただ、それができなければ、三笘は真のエースになれない。

【PHOTO】「基本的にはウルグアイ戦メンバー中心」と監督が明言!コロンビア戦に向け大阪で調整する日本代表!

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