川崎MF脇坂泰斗が涙ながらに語った“恩人”への想い。ユース時代に救われた言葉とは?「ただ昇格できないと言うのは簡単ですけど…」

2023年03月26日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「せめて今日、勝って終わりたかった」

脇坂が湘南戦後、涙ながらに恩人への感謝を語った。写真:滝川敏之

[ルヴァン杯・第2節] 川崎0-0湘南/3月26日/等々力陸上競技場

 川崎のMF脇坂泰斗が、涙ながらに"恩人"との記憶を辿った。

 川崎は3月26日、ルヴァンカップのグループステージ第2節で湘南と対戦し、0-0のドロー。この試合は、これまで長きにわたりクラブを支えてきた庄子春男エグゼクティブアドバイザーにとって、最後の公式戦となった。

 庄子氏は1980年、富士通株式会社に入社。その後、川崎の前身となる富士通サッカー部のプロ化に携わった後、2011年から取締役強化本部長を務め、2021年からはエグゼクティブアドバイザーに就任。そして3月31日限りでの退任が発表された。

 湘南戦の後、ユース出身の脇坂は涙を流しながら、これまでの感謝を口にした。
 
「自分はユースから昇格できなかったんですけど、その面談の時に、ただ昇格できないと言うのは簡単ですけど、『4年後に見送りだ』と言ってくれた。その言葉でどれだけ前向きになれたか。

 その言葉を信じて(大学の)4年間を頑張ってきて、4年後にトップに上げてくれた。プロ1年目で試合に出れなかった時も、僕はすごく焦っていたんですけど、前向きな声を常にかけてくれました。恩は数えきれないくらいあるので、せめて今日、勝って終わりたかったです」

 しきりに「本当に悔しい」と試合結果を悔やんだ背番号14は最後に、涙をこらえながら、「庄子さんに限らず、地域の方やサポーターと繋がっているというのがフロンターレ。自分たちはそういう方々のサポートがあることを感謝しながら、こんなところで終わるチームではないので、もっともっと大きなクラブにできるように頑張りたいと思います」と力強く語った。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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