現在地を知るべく強豪ドイツに挑むU-22日本代表。クラブで主軸を担う川﨑、初招集の中村&今野らの台頭に期待

2023年03月24日 松尾祐希

今遠征のテーマは“新たな積み上げ”

フランクフルトで4日間、準備を重ねたU-22代表。24日にドイツと対戦する。写真:松尾祐希

 来夏のパリ五輪を目ざすU-22日本代表が現在地を知るべく、再び欧州の強豪国に挑む。

 昨年3月にチームが立ち上がった大岩ジャパンにとって、ヨーロッパ遠征は今回で3度目となる。昨年9月はスイスに1−2に敗れ、イタリアに1−1のドロー。2度目の遠征ではスペインに0−2で敗北したが、続くポルトガル戦は2−1で勝利を掴んだ。

 1勝1分2敗。コロナ禍で国際舞台の経験をあまり積んでいない若き日本代表にとって、得たモノは計り知れない。

 そのなかで迎える今年初の活動も欧州が舞台となり、24日にドイツ、27日にベルギーと対戦する。チームは19日の夜に日本を発ち、20日の昼過ぎにドイツ戦が行なわれるフランクフルトに到着。そこから4日間トレーニングを積み、準備を進めてきた。

 今遠征のテーマは"新たな積み上げ"。メンバー発表時に大岩剛監督も「この1年間の積み上げに対し、プラスアルファしてさらに積み上げていく試合にしたい」と話しており、選手たちの変化に期待をかけている。
 
 個人としては欧州トップレベルの強度にどこまで対応できるのか、チームとしては昨年課題となった序盤の戦い方をどのように修正するのか。最後の活動からの成長は大きなポイントになる。

 今遠征は親善試合であり、公式戦ではない。勝利を目ざすのはもちろんだが、相手の分析は最低限に留め、自分たちの戦い方にフォーカスするのが大前提にある。「試合の入りはずっと言い続けないといけない。活動が少ないので、インターバルが開けば開くほど、小さいところが大きなものになっていく」と指揮官が言うように、チームとしての課題に目を向けつつ、各個人が今オフを挟んでどのように積み上げてきたかを発揮する場になる。

 特に今シーズンは、出場機会が得られていない選手が多い。新たなクラブで新たな挑戦を始めた選手が多く、環境を変えなかった選手も自クラブで立ち位置を確立するために試行錯誤しながらプレーを続けている。

 しかし、現状では結果に結び付いていない部分もある。今冬からストラスブールでプレーする鈴木唯人、横浜でベンチスタートが増えている藤田譲瑠チマといった、昨季までの主軸組が今回の遠征を通じてどんなプレーをするのかは興味深い。
 

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