新生日本代表、基本布陣の最適解を考察。考えるべきは攻守のバランス。両サイドが高い位置を取り主導権を握るのが理想

2023年03月21日 元川悦子

3月シリーズは苦手な南米勢との2連戦

第2次森保Jがついに始動。新顔も加わり、フレッシュな雰囲気に。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 2026年の北中米ワールドカップ(W杯)で悲願の世界8強を目ざす新生・森保ジャパンが、3月20日から千葉・幕張の高円宮記念JFA夢フィールドでついに始動した。

 初日はサポーター600人が集結。2020年春に同施設がオープンしてから初めての有観客での代表練習となり、かつてないほどの盛り上がりを見せた。

 そういったなか、遠藤航(シュツットガルト)、板倉滉(ボルシアMG)ら16人の選手が参加。バングーナガンデ佳史扶(FC東京)、半田陸(G大阪)の両パリ五輪世代と、新戦力・角田涼太朗(横浜)の負傷辞退によって追加招集された藤井陽也(名古屋)の新顔3人も加わり、フレッシュな雰囲気が色濃く感じられた。

 昨年のカタールW杯から顔ぶれが様変わりした守備陣は、W杯経験者が板倉、伊藤洋輝(シュツットガルト)の2人だけ。これまで森保一監督は4バックをベースにチーム作りを進めてきたため、順当ならA代表招集歴のある菅原由勢(AZ)、瀬古歩夢(グラスホッパー)、板倉、伊藤の4バックでスタートさせることになるだろう。

 しかしながら、第2次森保ジャパンの船出となる今回の3月シリーズでは、ウルグアイ、コロンビアという強豪国が相手。もともと南米勢を苦手とする日本が新たな編成となるCB2枚と両SBでゴールを守り切れるかというと、やはり不安はつきまとう。

 となれば、今回もカタールW杯のコスタリカ戦途中から採用した3バックの継続も視野に入ってくるのではないか。
 
 最終ラインが3枚であれば、板倉、瀬古、伊藤、町田浩樹(ユニオンSG)に加え、名古屋で3バックの一角を占めている藤井も問題なくこなせる。橋岡大樹(シント=トロイデン)と菅原も3バックに入ることはもちろん可能。使えるメンバーの枠が広がるのだ。

 両サイドにしても、橋岡は今季シント=トロイデンで右ウイングバックを主戦場にしているため、普段通りの感覚で攻守両面で良さを出せるだろうし、菅原も同ポジションの経験は豊富だ。

 半田だけは山形時代も現在も、年代別代表でも4バックが大半を占めており、少しやりづらさはあるかもしれないが、高い位置を取れることでより攻撃センスを発揮しやすくなる。そう考えればポジティブと言っていい。

 左のバングーナガンデに関しても、もともと攻撃的なSB。直近の名古屋戦でこの位置に入っており、高い位置を取れたほうが本人も自分らしさを存分に示せるだろう。彼ら新戦力のストロングを活かしたいと思うなら、3バックのほうがメリットが多そうだ。

【PHOTO】ウルグアイ・コロンビアとの親善試合に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介!

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