冨安不在のDF陣。初陣ウルグアイ戦は板倉を軸に、A代表招集経験のあるメンバーで4バックを編成か

2023年03月20日 元川悦子

瀬古がCBのスタメン候補に浮上

リーダーシップも魅力の板倉。吉田の後継者としての期待も高まる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 2026年の北中米ワールドカップに向けて、第2次森保ジャパンがいよいよ船出する。3月20日から初めての代表合宿が千葉県内でスタートし、24日の初陣・ウルグアイ戦に挑むことになる。

 そんな矢先に守備の要・冨安健洋(アーセナル)が16日のヨーロッパリーグ(EL)・スポルティング・リスボン戦で右膝を負傷。ご存じの通り、離脱が発表されたのだ。

 ここ数年、何度も怪我を繰り返してきた彼は、カタールW杯の際、「怪我? よくないサイクルなんだろうなって思いますし、どこかで断ち切りたい」と切なる感情を吐露していた。代表の新体制移行後は初陣からフル稼働したいと願っていたはず。

 それが直前に断たれる形になったのだから、本人も悔しさや焦燥感でいっぱいだろう。今は回復に努めるしかないが、とにかく戦える身体を取り戻すことに専心してほしいものである。

 代わって招集されたのは、東京五輪代表の町田浩樹(ユニオンSG)。森保一監督は世界基準を踏まえ「185センチ以上の長身DF」に強いこだわりを持っていることが窺える。今回のCB陣の板倉滉(ボルシアMG)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、瀬古歩夢(グラスホッパー)、20日に追加で呼ばれた藤井陽也(名古屋)は、いずれもその条件に該当している。

 こうしたなか、CBの軸を担うのは、もちろん板倉だ。カタールW杯のドイツ・スペイン戦の勝利の立役者であり、今季のブンデスリーガでも非常に安定感あるパフォーマンスを維持している。クラブでもリーダー格と位置づけられており、吉田麻也(シャルケ)の後継者としての期待も高まっている。
 
 本人も「何回か言っていますけど、カタールを経験したメンバーが中心となってリーダーシップを取ってやっていかないといけないなとすごく感じている」と強調していただけに、まずは板倉が中心となって守備陣をまとめ、統率しなければならない。状況次第ではキャプテンにも指名される可能性もある人材だけに、これまでの代表活動とは違った意気込みと責任感を強く示してほしい。

 そのうえで、4バックと想定して初陣を考えてみると、順当にいけば伊藤とのコンビになるところ。だが、左SBもバングーナガンデ佳史扶(FC東京)と兼任の町田しかいない。強豪相手にいきなりA代表未経験の選手を先発させるのはリスクが高い。となれば、伊藤が左に回らざるを得ない。

 そこで、次の序列の瀬古がCBのスタメン候補に浮上してくる。瀬古は昨年9月の欧州遠征に帯同しており、カタール行きをあと一歩のところで逃した選手。そういう意味で森保監督の評価は低くない。

 ボランチもこなせる足もとの技術や展開力、フィード力は板倉や冨安に匹敵するものがある。メンタル面も落ち着きが見られることから、今後のA代表の戦力として十分計算できるはず。今回はあえて起用に踏み切るのではないか。
 

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