「クリアもできたけど…」京都が湘南戦で決めた“16秒”カウンター弾を川﨑颯太が回想。スコアラーの山田楓喜が明かしたのは?

2023年03月13日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「かなり疲れていたけど、この一本ならいけると思って」

カウンターを発動させた川﨑(7番)は、ゴール前でクロスをスルー。背後にいた山田(27番)が決めた。写真:滝川敏之

[J1第4節]湘南0-2京都/3月12日/レモンガススタジアム平塚

 チームの"進化"を感じさせる追加点だった。

 京都サンガF.C.は、J1第4節で湘南ベルマーレと対戦。55分に木下康介のゴールで先制し、74分に山田楓喜がチームの2点目を決めて、勝利に大きく近づく。

 貴重な追加点は、マイボールにしてからフィニッシュまでわずか16秒、鮮やかなカウンターから生まれた。

 相手の右CKを跳ね返すと、いち早く"矢印"を前に向けた川﨑颯太が縦に蹴り出す。これを引き取った白井康介が前のスペースに出したボールに、パトリックが反応。ブラジル人FWが左サイドを駆け上がり折り返すと、ゴール前まで走っていた川﨑がスルー。背後にいた山田が、左足でコントロールショットを決めた。

 起点となった川﨑は、この形を狙っていたと明かす。カウンターへの決断に至った背景を、こう振り返った。

「目の前でパトリックと相手が競り合って、ボールが目の前に落ちた時に、クリアもできたけど、前にかなりのスペースが見えた。かなり疲れていたけど、この一本ならいけると思って。蹴らずに少し前に出して、一気に押し上げる選択をした」
 
 そして、「本当は(得点を)決めたかった」としつつも、「楓喜がいたのも分かっていた。より正確かなと」と、冷静に判断してスルーを選んだと語った。

 また、川﨑からシュートチャンスをもらった山田は、この試合でスプリント回数が両チーム通じて最多の38回を記録。この場面でも、しっかりと相手のゴール前まで走り込んできていた。

 そんな22歳は、得点シーンを「本当に覚えていない」と笑う。「ずっと練習してきたので、自然と身体に染みついたのがゴールにつながった」と練習の成果と強調した。

 アウェーで1点リードの残り約20分という状況で、追加点を奪いに行った選手たちを、曺貴裁監督は称えた。そして、「リスクを怖がっていては、J1のシーズンは乗り越えていけない。もし今日、逆転負けしても後悔はない」と言い切った。

 昨季のJ1で失点数は38。アビスパ福岡と並んで3番目に少なかったものの、得点数の30は名古屋グランパスと並んで16番目にとどまった京都。堅守に加えて、攻撃力も増しつつある今季はリーグを席巻するか。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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【動画】「本当に覚えていない」サンガ山田楓喜が"練習の成果"で決めたコントロールショットをチェック!

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