［J１第４節］湘南０－２京都／３月12日／レモンガススタジアム平塚

　移籍後初得点を、素直に喜んだ。

　京都サンガF.C.は、敵地で湘南ベルマーレに２－０で快勝。今季初の連勝を果たした一戦で、先制点を決めたのは、今季に水戸ホーリーホックから完全移籍で加入したFW木下康介だ。

　自身にとって新天地での２戦目。０－０で迎えた55分、GK若原智哉のロングボールを起点に、福岡慎平が右サイドで前向きの状態でボールを確保して、オーバーラップしていた白井康介に絶妙な縦パスを供給。白井は縦への突破から鋭いクロスを上げると、タイミング良くゴール前につめていた木下が右足でゴールをゲットした。

　試合後に曺貴裁監督は「あんなにきれいにゴールが決まるというのは、なかなか想像していなかった」「簡単なシュートではなかった」と振り返った。これぞストライカーの"嗅覚"と言える得点感覚が発揮された高難度のゴールについて、木下はこう振り返る。

「僕はほとんど何もしてないけど、右で崩して良いクロスが来て、相手ディフェンダーもいたけど、自分のリズム、感覚で合わせられたので良かった。タイミングが合えば、合わせるだけなので、無理にひねることもなく、きれいに合わせられたと思う」
 

　さらに、シュート時の意識としては、「あの辺は感覚というか、良い意味で適当というか、しっかり当てることが大事なので、そこを意識してやった」と明かした。

　ゴールが決まった感想を問われると、ニコニコしながら「素直に嬉しい」と答えた。自身にとってのJ１初得点だった点については、「あまり意識は無いけど、単純にゴールはいつも嬉しい」と、特別な思いよりも得点自体を喜んだ。

　京都加入後の２試合では左ウイングで起用されている木下。190センチの長身を活かしたハイボールの競り合いや、強烈なハイプレスにも意欲的に取り組みつつ、「ずっとストライカーをやってきたので、左ウイングをやっても、あそこの感覚はある。いつも狙っている」と得点への欲求を明確に示す。

　28歳FWは、どん欲に得点量産を目ざす。

取材・文●野口一郎（サッカーダイジェストWeb編集部）

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