【新生森保Jで見てみたい選手は?】注目は2000年世代のタレント。鹿島の新戦力MFにもチャンスか|識者の視点

2023年03月12日 元川悦子

「鎌田の成功ロード」を歩めるか

期待される2000年世代の若手たち。左上から時計周りに中村、谷、東、菅原。(C)SOCCER DIGEST、Getty Images

 3月24日のウルグアイ戦、同28日のコロンビア戦。この2連戦からいよいよ本格始動する第2次森保ジャパン。注目のメンバー26人は15日に発表予定だ。

「カタール・ワールドカップ(W杯)を戦ったコアなメンバーはもちろん、新戦力やワールドカップで選外になった選手も加えながら、経験値を上げて、選手個々のレベルアップも考えながら選考したい」と森保一監督も語っており、今回は新顔が複数招集されると見られる。

 そこで注目すべきなのが、2000年生まれの面々だろう。もともと2000年世代は早くから海外に行く人材が多く、ポテンシャルは高かった。が、東京五輪世代の一番下の学年ということもあって、五輪本番に引っ掛かったのは谷晃生(G大阪)と瀬古歩夢(グラスホッパー)の2人だけにとどまった。

 しかしながら、リオ五輪世代の一番下に該当する96年生まれの鎌田大地(フランクフルト)のように、後から台頭してA代表の主力になる選手もいる。つまり、2000年世代には「鎌田の成功ロード」が期待されるのだ。

 候補者の筆頭と言えるのが、今季はオーストリアで公式戦14ゴールをマークする中村敬斗(LASKリンツ)と、オランダ1部で優勝争いを繰り広げているAZの右サイドバック菅原由勢。彼らには森保監督も大いに注目しており、特に菅原に関しては、2月の欧州視察の際、直々に試合を見に行ったという。
 
「由勢に関しては、チーム内の立ち位置が明らかに変わっている。以前はレギュラーを取るために戦っていたが、今はチームの中心として信頼されながらプレーしていると感じた。オランダという高いレベルのリーグで優勝争いをしていることも素晴らしいと思います。

 敬斗も東京五輪世代の遠征で招集したことがあるが、欧州の強度で戦える強さと逞しさを身につけた。得点感覚とゴールに向かっていく姿勢という良さに磨きをかけていると感じました」と指揮官は高評価。次期代表ではキーマンと位置づけることもあり得そうだ。

 ドイツ5部から半年間でブンデスリーガに這い上がり、今年1月に欧州5大リーグデビューを果たした上月壮一郎(シャルケ)も彼らと同学年。「由勢や敬斗とは2017年U-17ワールドカップの頃、『次は一緒に上を目ざそう』と言い合った」と上月は明かしていた。2月中旬に怪我で離脱しなければ、いきなりの代表入りもあり得たが、残念ながら今回は難しそう。

 ただ、将来的には可能性のある選手。スイスでコンスタントに出ている瀬古、今年からセルティックに赴いた小林友希らとともに、「近未来の候補」として動向を注視していくべきだろう。
 

次ページ光る原石を拾い上げていくのも代表の責務

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