【ブンデス現地コラム】本格開花の予感を漂わせる“バラック2世”

2015年11月26日 中野吉之伴

かつての恩師から「100年にひとりの逸材」と激賞される。

故障癖が癒え、3年目のシャルケで好パフォーマンスを披露するゴレツカ。(C)Getty Images

 ドイツU-21代表の主将を務めるシャルケのレオン・ゴレツカ(20歳)は、ボーフム時代の恩師ペーター・ノイルーラーから「100年にひとりの逸材」と激賞され、ドイツ国内でも早くから「ミヒャエル・バラック2世」と将来を嘱望されてきた大器だ。
 
 当時2部に低迷していたボーフムから、シャルケに引き抜かれたのは13年7月。大きな期待を背にステップアップの移籍を果たしたものの、1年目は定位置を掴めず不完全燃焼に終わる。飛躍を期した2年目は左太ももを三度負傷するなど故障に悩まされ、シーズンの大半をリハビリに費やした。
 
 眠っていた才能がようやく開花しはじめたのが、不退転の決意で臨んだ3年目の今シーズンだ。ここまでセントラルMFのレギュラーとして11試合に出場し、攻守に渡ってコンスタントな活躍を見せている。
 
 成長を後押ししたのは、アンドレ・ブライテンライター新監督の存在だろう。縦に速くボールを繋ぐサッカーを志向する指揮官の下、攻撃のギアを入れる中盤のキープレーヤーとして異彩を放っている。
 
 ポジションも生まれ年(95年)も同じの、ピエール=エミル・ホイビェアの加入も刺激になったのだろう。同世代のライバルと切磋琢磨することで、プレーの一つひとつに迷いが見られなくなった。
 
 ゴレツカ本人もこう手応えを口にする。
 
「シーズン前に良い準備ができた。コンディションが良いし、それがプレーにも表われていると思う」
 

次ページ華麗さだけでなく、身を投げ出して戦う闘争心も併せ持つ。

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