“地獄の鍛錬期”でパワーアップを実感。Jデビュー済みの名古屋学院大FW近藤慶一は、悲願の日本一へ猪突猛進!

2023年03月03日 安藤隆人

すでに今季のJ2で2試合に出場

不断の創意工夫で進化し続ける近藤。写真:安藤隆人

 2月28日に幕を開けたデンソーカップチャレンジサッカー茨城大会。東海選抜の絶対的なエースストライカーとして君臨する名古屋学院大のFW近藤慶一は、大会2日前の2月26日にプロのピッチに立っていた。

 近藤はすでに2024年シーズンからのいわきFCへの加入が内定している。特別指定選手として、いわきにとってJ2での初試合となる開幕戦の藤枝MYFC戦(2-3)で近藤はいきなりベンチ入りを果たすと、0-3で迎えた後半のスタートから投入されて待望のプロデビューを飾った。

 この試合で反撃の狼煙となる、いわきのJ2初ゴールの起点になるなど、上々のプロスタートを切ると、続く2節・水戸ホーリーホック戦(2-2)でもベンチ入りし、1-2の状況で72分に投入され、2試合連続の出場。前線のターゲットマンとして機能し、チームも同点に追いついてJ2初の勝点1奪取に貢献した。

「僕は高校時代からプレースタイルは変わりませんが、進化はできていると思いますし、まだまだ進化させていきたいと思っています」

 この言葉通り、近藤は岐阜の中京学院大中京(現・中京高)の時から猪突猛進のプレースタイルだった。182センチの高さと屈強なフィジカルを持つ彼は、マイボールになった瞬間に縦のスペースに抜け出し、背後から来たボールを巧みにコントロールしてゴールに運んでいく。

 パスの出所を察知する能力が高く、味方DFがキープした角度、キックのモーションを見て、素早くボールの軌道を予測して動き出せるインテリジェンスを持っていた。
 
「福留直人監督(現・関商工高サッカー部アドバイザー)からは常に『自分のタイミングで前に行っていいよ、そこに周りが合わせるから』と言われていたので、『どうしたら良いボールを引き出せるか』を考えて工夫しながらプレーすることができた」

 創意工夫を繰り返しながら伸び伸びとプレーしてきたが、プロになることへの意識はあまりなかった。「もっと成長したい」という純粋な気持ちが高校3年間で養われ、熱心に声をかけてくれた名古屋学院大に進路を決めた時も、「誘ってくれた(名古屋学院大の)沢入茂雄監督は、名古屋グランパスではFWとして活躍した人。小さい頃から見ていたクラブのレジェンド的な人で、体格も似ていて、『沢入さんにFWの極意を学びたい』と思った」と、名古屋の初代キャプテンで身長も182センチと同じ沢入監督に教えを乞う形で決断したという。

 沢入監督から動き出し、競り合いでの身体の使い方とタイミング、そしてボールコントロールなどストライカーとして必要な要素を学んだ近藤は、メキメキと頭角を現した。

 2年生の時に東海大学リーグ1部で得点ランキング2位となる10ゴールをマークし、「プロになれるんじゃないかと思うようになった」。昨年も1部リーグで得点ランキング4位となる11ゴールを挙げ、いわき内定を手にした。
 

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