「不安が的中した」失速した久保建英、ソシエダ番記者が指摘した“懸念”とは?「フラストレーションを抱えたまま…」【現地発】

2023年03月01日 ミケル・レカルデ

ふわふわと所在なさげだった

バレンシア戦では73分で交代となった久保。(C)Getty Images

 タケ・クボ(久保建英)とアレクサンダー・セルロトは、今シーズンのレアル・ソシエダのトレンディペアとして、その実力を発揮してきた。

 しかしここにきてその状態にオレンジ色のアラームランプが点灯している。敵地メスタージャに乗り込んだ今節のバレンシア戦での失意のうちに終わったパフォーマンスはくしくもソシエダが身にまとっていたユニホームの色と同じだった。

 イマノル・アルグアシル監督がヨーロッパリーグで上位進出を目ざしているのは、ここ数週間、故障明けの選手を慎重に起用し、主力の出場時間を分配しているその采配からも明らかだ。そんな中、変わらずフル稼働を強いられているのが冒頭の2人だ。セルロトは、アレクサンデル・イサクの退団、その後釜として獲得したウマル・サディクの怪我、カルロス・フェルナンデスの度重なるコンディション不良、ホン・カリカブルの退団(冬の移籍市場でレガネスへレンタル移籍)が重なり、オプション的な要素が強いミケル・オジャルサバルを除けば、代役不在の状況が続いている。
 
 その相棒であるタケもアルグアシル監督の絶大な信頼を追い風にここまで27試合に出場。そのうちスタメンが22試合、4ゴール・7アシストを記録している。

 もちろん不安は、疲労の蓄積で、メスタージャでその懸念が的中した。いつもの戦う姿勢を見せるも、フィニッシュに絡んだシーンはほぼ皆無。輝きを欠き、試合開始時の右ウイング、ハーフタイム明けのトップ下とポジションを変えてもふわふわと所在なさげだった。

 最大の見せ場は開始1分だった。ブライス・メンデスのヘディングによるパスに呼応して裏に抜けたが、利き足の左足で蹴ることに固執するあまり、無理な体勢で放たれたクロスは精度を欠き、誰にも合うことなくゴール前を通り過ぎていった。

 精度を欠いたと言えば、後方のアンデル・バレネチェアとのコンビネーションもそうだ。本職がウイングの急造SBのため、プレースタイルが似通い、補完性を築くというよりも、持ち味を消し合っていた。

【動画】敵DFをかわして右足のクロス!バレンシア戦でチャンスを創出する久保建英

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