【千葉】繰り返された反省の弁。「勝ち切れない、波に乗り切れない、やり切れない」では昇格など遥か先。同じ過ちを続けるクラブには“本気の”意識改革が必要だ

2015年11月23日 本田健介(サッカーダイジェスト)

開幕当初は予想もしなかった悲しき幕切れ。

リーグ最終節の讃岐戦は0-2で敗戦。勝たなければいけない試合で脆さを見せた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 まさかの結末だった。自動昇格を目標に掲げていた千葉がプレーオフ進出をも逃す幕切れ。リーグ最終節の讃岐戦に0-2で敗れた直後、選手たちはただ茫然とピッチに立ちつくした。
 
 もっとも、プレーオフ進出の条件は極めて厳しいものだった。8位(勝点57)の千葉は、まずは讃岐戦で勝利を収め、6位・長崎(勝点60)が敗戦、7位・東京V(勝点58)が引き分け以下でなければならない。他力本願のなか、まずは勝点3を奪うため、千葉は序盤から必死に攻めた。
 
 しかし9分にCKの流れからGKの岡本がハイボールの処理を誤ると、エブソンに先制点を奪われてしまう。これで焦ったホームチームは反撃を試みるも、ミスを連発。サイドからの崩しで何度かチャンスを得たが、80分にはカウンターから木島良に美しい一発を決められ、力尽きた。
 
 開幕当初、誰がこんな終わり方を想像しただろうか。7戦負けなしと好スタートを切ると、一時は首位にも立った。「点を取られないこと。うちには得点を量産できる戦力は揃っていないので、まずは守備を重視することが大事」との関塚監督の言葉どおり、激しいディフェンスを軸に昇格レースをリード。「今年のジェフは違う」と、多くの人に囁かれるほど、満足のいく出来だった。
 
 ところが、8節に愛媛に初黒星を喫すると、少しずつ歯車が狂い始める。その後も勝利は重ねたが、ボランチの佐藤勇の負傷、そして持ち前の中盤のプレスを回避されるロングボールを主体とした攻撃を仕掛けられるようになり、徐々に失速。14節からは5戦勝利なしと勝ち星から見放され、順位も下降線を辿った。
 

次ページ終盤の10試合でわずか3勝。調子を取り戻すことはできなかった。

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