【川崎】J史上初の3年連続得点王! ゴールを量産する大久保の”考える力”を同僚の中村も称賛

2015年11月22日 江藤高志

良き理解者の中村は「特筆すべきは、あの身長でってことですよ」

ハイレベルなシュート技術はもちろん、相手が嫌がるポジションを取る嗅覚も大久保の持ち味だ。 (C)SOCCER DIGEST

「偉業ですから。2年連続ですらすごいのに、3年連続はなかなか抜かれないのでは」と話すのは、チームメイトの中村憲剛だ。

 大久保嘉人の良き理解者で、彼の良さをどう引き出すのかを考え、ゴール量産を支えた。3年連続得点王の偉業をほぼ手中に収めて最終節を迎える大久保のすごさについて、中村は次のように話す。

「特筆すべきは、あの身長でってことですよ。あの身長の選手が真ん中のポジションを取っているにも関わらず、あれだけ点を取れるのがすごい」

 屈強なDFが待ち構える相手の最終ラインに、体格に恵まれているとは言えない大久保が立ち向かい、ゴールを重ねる。これは将来プロを目指す育成年代の選手たちにとっても見本になるのではないかと、中村は続ける。

「決して大きくない嘉人が点を取っているのは、小さい子の見本になる。それは(佐藤)寿人もそうですが、あのふたりがゴン(中山雅史)さんの記録に近づいているのはすごく大きなことだと思います」

 もちろん「大きければいいというものでもないですが」とも付け加えるが、それにしても「自分の持っている能力を最大限に使ってどれだけやるのか。それで点を取り続けているのがすごい。記者のみなさんとも背格好は変わらないですからね」と手放しで賞賛した。

 川崎移籍後の大久保のゴールラッシュには、いくつかの要因がある。たとえば独自に開発した、右足のアウトに掛けながら放つシュートは、右側に曲がりながら落ちる弾道で相手ゴールを襲う。大久保は、このシュートがゴール左上に飛べば、GKは100パーセント取れないと胸を張る。

 努力して身に付けたこのキックに代表されるフィニッシュの上手さが大久保のゴールの源だが、あわせて大事なのが"考える"こと。大久保は常に状況を把握し、最適なポジションを取り続けている。噛み砕いて言えば、相手DFが嫌なポジション=ゴールにつながりそうなポジションを嗅ぎ分け、その急所をついてきた。

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